ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース(柴田元幸翻訳叢書) (Switch library)
- スイッチパブリッシング (2015年7月7日発売)
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感想 : 18件
『アメリカンマスターピース』とは、やはり随分と趣が違う。怪奇小説のようなものも多く、またインドを中心とする植民地との関係も出てくる。
『猿の手』。私はつい日本的に幽霊が静かに微笑みすらたたえて現れるイメージを想定してしまったので、ラストの切迫感が理解できなかったのだが、ここではゾンビを想像すべきところなのであろう。
『信号手』は、立体的な空間構成が素晴らしい。上下左右だけでなく、奥が、空間に穴を開けている。
『象を撃つ』も、帝国主義の手先たる警察官のダメ男ぶりがおもしろい。群衆の期待が行動を決めてしまう。「圧制者となるとき、彼が破壊するのは彼自身の自由なのだ」とは、白人に限らないことだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年12月28日
- 読了日 : 2015年12月28日
- 本棚登録日 : 2015年11月29日
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