ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース(柴田元幸翻訳叢書) (Switch library)

著者 :
  • スイッチパブリッシング (2015年7月7日発売)
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本棚登録 : 285
感想 : 18

『アメリカンマスターピース』とは、やはり随分と趣が違う。怪奇小説のようなものも多く、またインドを中心とする植民地との関係も出てくる。

『猿の手』。私はつい日本的に幽霊が静かに微笑みすらたたえて現れるイメージを想定してしまったので、ラストの切迫感が理解できなかったのだが、ここではゾンビを想像すべきところなのであろう。

『信号手』は、立体的な空間構成が素晴らしい。上下左右だけでなく、奥が、空間に穴を開けている。

『象を撃つ』も、帝国主義の手先たる警察官のダメ男ぶりがおもしろい。群衆の期待が行動を決めてしまう。「圧制者となるとき、彼が破壊するのは彼自身の自由なのだ」とは、白人に限らないことだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年12月28日
読了日 : 2015年12月28日
本棚登録日 : 2015年11月29日

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