血と暴力の国 (扶桑社ミステリー マ 27-1)

  • 扶桑社 (2007年8月28日発売)
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感想 : 63
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麻薬密売人の金を盗んだモス、モスを追う殺し屋シュガー、そして殺し屋を追う保安官ベル。
3人それぞれの視点から、緊迫した逃亡劇が描かれる。

でも、この本の面白さはそのスリルではない。

誰がどこで撃たれたとか、どうやって逃げられたかとか、雑多な“点”をつなげたときに見えるのは、登場人物たちの運命。
関係ない出来事も全て必然に思えるような、すべてを決定する大きな力に圧倒される。

普段のなにげない一歩が、自分の最期を決めるレールへ乗り出すことになっているのかもしれない。
しかし一度つけた足跡は二度と訂正することはできない。
立場の全く異なる3人が呟く言葉の根底には、ひとつの共通した人生観が流れているように思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月18日
読了日 : 2011年12月10日
本棚登録日 : 2011年11月21日

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