麻薬密売人の金を盗んだモス、モスを追う殺し屋シュガー、そして殺し屋を追う保安官ベル。
3人それぞれの視点から、緊迫した逃亡劇が描かれる。
でも、この本の面白さはそのスリルではない。
誰がどこで撃たれたとか、どうやって逃げられたかとか、雑多な“点”をつなげたときに見えるのは、登場人物たちの運命。
関係ない出来事も全て必然に思えるような、すべてを決定する大きな力に圧倒される。
普段のなにげない一歩が、自分の最期を決めるレールへ乗り出すことになっているのかもしれない。
しかし一度つけた足跡は二度と訂正することはできない。
立場の全く異なる3人が呟く言葉の根底には、ひとつの共通した人生観が流れているように思えた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年12月18日
- 読了日 : 2011年12月10日
- 本棚登録日 : 2011年11月21日
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