少年達が漂流して無人島へ。助けを待ちながらそこで生き抜いていこうとする物語。
……と言えば、もうちょっと前向きな感じだったり、サバイバルへの創意工夫、挫折、不和、それらを一致団結して乗り越えていく感じ、みたいなものが想像されるけれど、これは違う。
奇妙にリアリティのない島で、狂気ちょっと手前の生活が繰り広げられる。
島は大きくはないけれど、真水の湧く場所があり、食べられる果実がふんだんに実り、しかも欲望のままに食べ続けても尽きることは無く、凶暴な生物や毒のある生物はいないけれど、野豚はいる。気候は温暖で日が沈んでも凍えることはない。そんな楽園のような島。
それなりに統率する努力はあったけれど、少年ならではの無謀や奔放さがいろいろと台無しにしていく。
最初は「まったく、これだから男の子ってやつは……」なんて気持ちで読んでいたが、ページを繰るにつれ、洒落にならなくなっていく印象。
少年達の精神が摩耗していく様子が克明に描かれていて、なかなかにどす黒い小説。
戦争への風刺……なのかな?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
その他小説
- 感想投稿日 : 2014年9月28日
- 読了日 : 2014年9月28日
- 本棚登録日 : 2014年9月28日
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