かんじき飛脚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年9月30日発売)
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本棚登録 : 316
感想 : 36
5

唸るス トーリーと筆致力5☆〜。 本作品は飛脚がテーマ。しかも江戸と加賀藩 約570kmをわずか5日で走破、かつ月に三度 往復する強者どもに光をあてる。物語は寛政 の改革で名高い松平定信が推し進めた棄損令 (債権放棄)により年末も越せない旗本が急 増そして不平不満が爆発寸前。この難局を乗 り切るために定信が考案した奇策。加賀藩が 秘する内儀の病を公に顕にする事で非難を逸 らす事。だが病に効く特効薬は遠く離れた金 沢に。期限は年末までの二週間。藩の危機を 救うために命を賭して立ち上がった精鋭飛脚 達。道中には吹雪や断崖絶壁の海沿いの道そ して薬の運搬を邪魔する公儀。さーて想像を 絶する難局を彼等は乗り越える事が出来るの か!?ハラハラドキドキするテンポの良い物 語の進みは勿論、当時の食事を始め、日々の 鍛錬風景、雪道を歩くかんじき等の製法も含 めて細やかな描写が特徴。そして何と言って も一人一人の心情、心意気や熱気がダイレク トに伝わる。史実にうまくからめて物語を創 造しているので読み手に信憑性を持たせてい るな〜。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2013年3月2日
読了日 : 2013年2月16日
本棚登録日 : 2013年2月13日

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