口入屋兇次 2 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2016年3月18日発売)
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本棚登録 : 68
感想 : 8
5

引き続き二巻を読了しました。
呉服問屋の手代伊助は誠実で優しく、清廉な人柄でありながら、奉公先の好色でワガママ放題のひとり娘の毒牙にかかってしまいます。
あろうことか、主家の娘を茶屋に呼び出し、辱めようとした罪を被せられます。
もちろん、伊助は無実。しかし、滅多打ちにされた挙げ句、他の不名誉な罪まで着せられ、店をたたき出されました。
ここで、口入屋兇次の出番です。
兇次は伊助の身柄を預かり、彼の才能と人柄を活かしすべく、古道具屋に紹介をしてやるのですが、、、

大変興味深く読めました。
伊助と昵懇で、彼の成功に一役買うのが成田屋(歌舞伎役者)というのも面白かったです。

以下、私的な感想です。
この世の中というのは想うに任せないものどころか、正直者が馬鹿を見るのが現実です。
この漫画にも、そういうことが描かれていました。
しかし、正直者はひとたびは馬鹿を見ても、誠実さを失わなければ、いつかは報われる―そういう結末が用意されているところが良いですね。
これは、この作品だけでなく時代物、人情物には共通する要素でもあります。
私が江戸時代や時代物が好きなのも、実はその「救いがある」という部分だったりします。
読んだ後、
―辛いことがあっても、真っ当に生きていれば、いつか陽の目も見られるさ。
 そう思えるところが一番良いと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年6月3日
読了日 : 2017年6月3日
本棚登録日 : 2017年6月3日

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