率直に言うと、時代劇愛好派としては、今一つ物足りないかなという部分があります。原作の雰囲気というものもあるかもですが、「しみじみとした味わい」というものが感じられない。私が見たのはまだ触りの第1巻のみですが、唯一、それが感じられたのは第2話の中で、ふたがしらの宗次と弁蔵がゆきずりの殺害された火付け盗賊改め方の侍の遺品を江戸にいる妻に届けたという下りでした。
大阪を目指しているはずなのに、わざわざ江戸にとんぼ返りしてまで遺品を届けた二人。
―臨終に立ち会った人間として、その約束を果たしてやるのが人間ってものじゃねえのか。
上記、言葉はセリフそのものとは少し違うかもしれませんけれど、弁蔵が放ったその一言が印象的でした。
これから続きを見てみたいという思いはありますが、その「味わい」がこれからもっと全面に強く出てくれば良いなと期待します。
しみじみとした人情時代物というよりは「時代活劇」なのかもしれませんね。そう思って楽しんだ方が良さそうです。
後は菜々緒さんの「姐さん」は色っぽくて、なかなかハマリ役ですね。ただ、セリフの言い方がちょっとどうかなと思う部分はあります。松山ケンイチさんの弁蔵はよくキャラの持ち味が活かせていると思います。破天荒な弁蔵とクールで理知的な宗次という二人の相反するキャラもそれぞれの俳優さんがぴったりで、役柄によくあっていますが、凄艶な美貌で知られる人気女形の早乙女さん、女装姿しか見たことがなくて、もう少しイケメンなのかと思っていましたが、、、これは作品とは関係ないですね。
- 感想投稿日 : 2016年3月13日
- 読了日 : 2019年12月27日
- 本棚登録日 : 2016年3月13日
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