実録「取り立て屋」稼業: 元サラ金マン懺悔の告白 (小学館文庫 Y す- 9-1)

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  • 小学館 (2008年1月7日発売)
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「サラ金」の社員を世間一般で考えた場合、「ナニワ金融道」のようなイメージが強い。

パンチパーマで手には指輪。関西弁で「おい、こら!」とまくしたてる口調。

やはり恐い印象を持たせないと、借りたお金が返ってこないわけだ。

確かにそういう金融会社の人は存在する。



しかし、「サラ金」というのは正式には消費者金融業といい、一部上場企業もあるわけだ。

その中で働いている人たちがみなパンチパーマかと言えば・・そんなことはない(笑)

男性も女性も、会社に貢献するために汗を流して仕事をしているのだ。



しかし、この本で書かれている「某大手消費者金融会社」の実態。

お金を取り立てることはゲーム感覚になり、人の嫌がることをすることによって実績を上げる。

なかなか支払いに応じない多重債務者が自殺し、団体生命保険からお金が返ってくることに喜ぶ会社。

・・・だんだんと主人公は「これでいいのか?」と自問自答するのだ。

彼は結局、4年後に退職する。そして現在は、多重債務者の相談員として活動しているとのことだ。




多重債務に陥る原因は、決してギャンブルや浪費だけでなるわけではない。

突然のリストラや病気で収入が絶たれ、それでも生きていくためにお金を借りる場合もある。

一概には言えないが、決して消費者金融業が「社会悪」と切り捨てることにはならないだろう。

借りるほうも貸すほうも、きちんとルールを守る・・その実現ができさえすればいいのだが。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2008年2月2日
本棚登録日 : 2008年2月2日

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