われ様のどんぐり

  • 彩雲出版 (2008年7月1日発売)
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本棚登録 : 9
感想 : 3
5

田舎の女の子と、山の神様のおはなし。
文字が多い絵本とカラーの絵をたくさん使った児童書の中間くらいの文字量。

主人公のつぐみは三世代同居でおじいちゃんこ。
時々おじいちゃんと一緒に、お茶にするせんぶりをつみに山へいく。
ある日ありじごくにひっかかっていた小さな神様を助けたら、お礼に一日だけ願いがかなうどんぐりをもらう。

文章も絵も、描写が素朴で丁寧。
でてくる草や虫や土を感じられる。
実際にそれを知っている人が書いたものなんだろうと思う。

つぐみは良い子。
願い事をおじいちゃんのために使うと決めて、しかも勝手に願うんじゃなくておじいちゃんに願わせる。
つぐみの行為は自己犠牲ではなく「大事な人が嬉しいといいな」という自分の願いに従っている。
自然にそういう風に考えられるのは、家族みんなで慈しんで育ててきたからだ。
おじいちゃんおばあちゃんは勿論、そのおじいちゃんたちに育てられた息子(父親)とその妻(母親)もまっとうな人。
まっとうに生きることが当たり前の人。
ほんの少しのエピソードから、どんな人たちだかわかる。

頭と体が乖離してない。
きちんと丁寧に生きているお話だ。


ほこらにつくとおじいちゃんがくれる「ごほうびのおやつ」は氷砂糖かチャイナマーブル。
チャイナマーブルがわからなくてググった。
舐めると色が変わっていく飴玉らしい。うちのあたりでは変わり玉って呼んでたやつだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書・絵本
感想投稿日 : 2013年6月29日
読了日 : 2013年6月25日
本棚登録日 : 2013年6月29日

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