【※ちょっとネタバレ有】「すっとこどっこいしょ。/舞城王太郎」
やっぱ舞城だよな!
「神がごめんとひと言謝ってきたなら許さないでもないという気持ちで生きている。」で始まる冒頭がまず入り方として理想的で完璧で、これやられたからにはもういい小説なのは確定。
そしてだ、46ページも書いてきてラスト2ページになってからのたった一行「俺は留年も浪人もぜずに東大に入って三年になる前に立ち止まる」でばっさりと高校時代から時間をぶっ飛ばす手法、要らない期間の描写をあっさりすぎるほどあっさり捨てて未来にショートカットしちゃう手法、『ビッチマグネット』でも他いろんなのでも舞城が使ってきたこの手法がわたしは大好きすぎる!
過程飛ばして早くラストに辿り着きたいそのめんどくささに耐えて書けよ、書かないにしてもせめて章変えるとか自然さを考えろよそれがプロだろっていう目線を丸無視して、めんどくささと必要性の無さに従ってばっさり切ったらそれが功を奏してものすごい効果を生み出してる。
もうこのスピードがあるからわたしは頭ん中すっきりするし目の前のことをやらなきゃ生き急がなきゃってエネルギーを湧かせられる。
ありがとう舞城!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年3月12日
- 読了日 : 2012年3月12日
- 本棚登録日 : 2012年3月12日
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