若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2009年10月16日発売)
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現代日本が抱える問題の中でも,特に周辺諸国や先進国の中での立場に重点を置き,そうした中で浮かび上がる日本人像の特徴,及び昨今の変容を説いている.こうした背景にあるものとして,芸術や日常使う言葉といった部分で,それとはっきり分からない形で浸透していくグローバル化・画一化,或いは段々と権力に飼い慣らされつつあるジャーナリズムの現状に対し,筆者自身の体験を踏まえつつ警鐘を鳴らす.その上で,そうしたものに流されず自律して判断・思考を行う,またその為に必要な知識を収集・獲得していく重要性を訴えている.

生前の講義内容を出版社側が編集した内容が中心.本職がジャーナリストということで,全体に精神論めいた主張で終始してしまっているのも如何なものか,と思うところはある.しかしそうしたものの根拠を芸術に見出しているところが,個人的には印象に残った.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫・新書・単行本 - 教育社会
感想投稿日 : 2015年5月25日
読了日 : 2015年5月25日
本棚登録日 : 2015年5月25日

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