吾輩は猫である (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (308)
  • (388)
  • (614)
  • (78)
  • (19)
本棚登録 : 6514
感想 : 393

明治37年12月に、高浜虚子のすすめによって書かれた漱石の最初の小説。翌38年1月の「ホトトギス」に掲載されたところ好評を博し、当初第一回のみの短編であったものが、連載されることとなった。
物語は猫の一人称。中学教師苦沙弥先生の家に住み込んでいる猫の日常のつぶやきを通して、漱石の痛烈な社会批判が繰り広げられる。一見物語としての起伏がなく、論理的になりがちな文章だが、苦沙弥、迷亭、金田といった登場人物たちのキャラクターや、それに対する猫の鋭いつっこみがユーモアたっぷりで笑いを誘う。
結末は悲しくもあっけないもので、落語のようだと思ったら、それもそのはず、漱石は落語の愛好者だったそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 夏目漱石
感想投稿日 : 2012年9月25日
読了日 : 2000年8月
本棚登録日 : 2012年3月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする