一流商社で役員にまで登りつめた夫清太郎と、何年経っても夫に“ほんまに気持のええ奴”だと思わせる妻麻子。おまけに結婚を控えた息子に「おふたりは僕の最も大好きなご夫婦なんですよ」とまで言われる理想的な夫婦の日常を描く。
これでもか、これでもか、というくらいすべてがうまくいっている。ある意味異常だ。でもこれくらいの秘事を抱えてみたいとも思わせる。
「半所有者」は、妻の遺体と最後にもう一度交わろうとする男の物語。短いながらもあまりにも河野多恵子らしい、濃厚な作品だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
河野多恵子
- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2003年4月6日
- 本棚登録日 : 2012年9月23日
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