まどろみ消去 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2000年7月14日発売)
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本棚登録 : 4093
感想 : 296
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短編集はあまり好きじゃないけど、びっくりするくらいおもしろかった!森さんは何故こんなにアイディアが出てくるんだろう。ミステリーばかりじゃない、というかミステリーの定義がよく分からないけど、様々なタイプのお話があった。S&Mシリーズのも二つ。小さな宝石がたくさん詰まってるみたい!

「純白の女」は、多重人格障害なのかな。でも、四季のような、混ざらない純粋さってことだろうか。

「優しい恋人へ僕から」これ、すごく好き。僕がとてもかわいい。このくらいシンクロ率の高い人、稀にいるよね。最後の一文まで分からなかったけど、気づかなくてよかった。

「ミステリィ対戦の前夜」は爆笑!遊びすぎでしょう(笑)岡部さんの、変な英語と変な日本語がテンポよすぎ!

「誰もいなくなった」犀川先生、かっこいいです。

「何をするためにきたのか」………モンハン?

「心の法則」全く分からなかった。完全に油断して読んでたけど、確かに最初から言ってること難しかったな。もう一回ちゃんと読まないと。一番ひっかっかった、一番面白いのかも?

「キシマ先生の静かな生活」なんか、とても泣けた。本当に。研究に没頭できること、好きな学問ができることって、やっぱりとても幸せなことなんだなあ。大学って尊い場所なのね、もっとそれを自覚して勉強しようと思った。


解説よかったなあ。萌絵の十進法のジェスチャー、あそこも爆笑した。森さんがやりたいのはミステリーそのものではない、というのはなんとなく感じていたけれど、でもミステリーである理由もちゃんと分かった。
どんな形であれ、日常からほんの少しはみ出すことが世界の謎について考える一歩になるんだ。突発的にはみ出したりするのが、犯罪がらみ、特に死が近い時なんだろうな。そうでなくても、より理系が、より研究者が、そういう思考を常に持っているのね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年10月30日
読了日 : 2011年10月28日
本棚登録日 : 2011年10月28日

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