溺レる (文春文庫 か 21-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年9月3日発売)
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本棚登録 : 3489
感想 : 329
5

川上弘美の怖さを見た。

言葉の重ね方、
会話の重ね方、
酒と食事の重ね方が、
川上弘美の魅力と思っていたのは、
まだまだ少ない経験で得た、
彼女のいち断面であったか。

男と女の情念の、
強く、淡く、もろく、
果てしない粘りつき方が、
とても恐ろしい。
川上弘美が粘りつくと言うと、
ひどく粘りついて見える。

そこにある情念が、
とてもとても粘っこい。
あわあわとしているのに、
さらさらとしているのに、
やたらと絡みついて、怖い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 川上弘美
感想投稿日 : 2016年2月29日
読了日 : 2016年2月29日
本棚登録日 : 2016年2月18日

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