顔も名前も知っている、厨房のスタッフを度胸試しに殺すことになった場面はとても衝撃的だ。
井上さんの番では肉塊になっていたが、確かにさっきまで、
命を懇願し、喚き叫んでいた人間だった。
他の章の詩や、数々のエピソードで、
今迄何となく知っていた、或は見聞きしていた戦争についての事象は、
教科書掲載や物語化の段階である程度のフィルターにかかっていたのかもという思いに至らせてくれた。
これを読んで、筆者の「自分は悪く無い」アピールを感じるというような解釈もあるようだが、単にそういうことだけではないと個人的には感じた。
とにもかくにも、従軍した兵隊の記憶というのは得難く、重い。
色々なことを明かしてくれている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年8月12日
- 読了日 : 2013年8月3日
- 本棚登録日 : 2013年7月31日
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