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文学音痴の本棚(やじみな)


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文学音痴の本棚»

文学って難解。 でも本が好き。 2005年11月27日、スタート。 (2008年6月20日/登録冊数1000冊、2010年8月1日/2000冊)

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秘境国  -まだ見たことのない絶景-

/ パイインターナショナル / 2011-08-15 発売



本当に世界にはいろんな国がある。
地球の、「秘境」っぽい様々な国を見開き1ページでグラビアとちょっとした短い文章で紹介している一冊だ。
「国」というくくりにしたのが面白い、と思う。
その国の抱えている問題や数字(面積、人口、国民の平均所得など)や歴史が出てくるからだ。
「秘境っぽい土地」はメジャーな国にも多くあるかもしれないけれど、「秘境っぽい国」がある場所は固まっている。
アフリカ、南米、中東、オセアニアの小さな島々。
名前の知られていない国がほとんどだ。
美しいグラビアとは裏腹に、紹介文の中には内戦や虐殺、貧困などの問題が出てくる。そんな貧しくて大変な国が世界にはたくさんある、ということは知っていても、具体的な国名は案外知らない。そして、その国がどんな美しい景色を持っているのかということも。
そういうことをふと考えるのにも役立つ一冊だ。もちろんグラビアを眺めるだけでも楽しい。はじめて知ったレソト王国の写真は本当に素晴らしい光景で、こんな場所があるんだなぁと感じ入った。
あと、興味深かったのは「幸福の国」として有名なブータンが、難民を多く輩出する負の面も抱えているということ。
自分の無知をしみじみ知る。


2012-02-22 | コメント(0) | 旅に出たい | 読み終わった (2012年02月22日) |

もういちど生まれる

朝井 リョウ

/ 幻冬舎 / 2011-12-09 発売



東京の大学を舞台に、さまざまな19歳たちの恋や友情や家族への思いを描いた連作短編集。
・・・・と書くとよくありそうな青春小説っぽいけど(まあ実際王道の青春小説なんだけれど)登場するキャラクターがそれぞれなんかよくていいな、と思った。
この人の形容詞はときどきやたらキラキラしすぎていて気取っているような(「頭の中がかき氷を溶かしていく練乳」、とか)気がして少しだけ鼻につくなぁと思うことがあるのだけれど、後半になってそういうものが気にならなくなってきた。
本当に一生懸命でいっぱいいっぱいで余裕がなくて無駄だらけ、という「19歳」がここにいるなぁ、と思う。


2012-02-16 | コメント(0) | せつなくなる | 読み終わった (2012年02月16日) |

幸福な生活

百田尚樹

/ 祥伝社 / 2011-05-27 発売



最初の2~3編を読んだだけで、タイトルの「幸福な」というのが皮肉な意味で謳われていることに気づく。
「幸福な」と信じ込んでいる生活は、足元を見れば実は瓦解していて、そんな自分の境遇が見えていない人物を皮肉るようなブラックな掌編が多数収められている。
いずれも最後に一言のオチがくる(それも必ずページをめくったすぐのところに)という形式をとっていて、そのスタイルを守っているのはすごいなと思うのだけれど、正直、何本も同じスタイルの話を読んでいると飽きがくる。
どんでん返しがあるんだろうな、と思うと、物語の途中でそのオチが読めたりしてしまって、こうやってスタイルを固定する弊害があるようにも感じた。(あと、こうやって形式化してしまうと、それだけにオチのうまさ、そうでもなさが目に付きやすいように思う。意外に作家泣かせなスタイルだと思うんだけど、どうだろう)
どうしても生活モノなため夫婦ネタが多かったけれど、おもしろかったのは深夜タクシーの話や、淑女協定(かなり下世話なネタだけど)あたりかなぁ。


2012-02-16 | コメント(0) | 皮肉な気持ちになる | 読み終わった (2012年02月16日) |

直島 瀬戸内アートの楽園 (とんぼの本)

秋元 雄史

/ 新潮社 / 2006-11-22 発売



直島をはじめとする「Art Setouchi」に興味をもったらぜひ読んでおきたい一冊。
いかにして瀬戸内海の小さな島、直島が全国的に有名なアートの聖地となったのか。そこに建つ美術館、あるいはアート作品はどのような思い入れや考えがあって作られたのか、ということが、丁寧に取材されていて、興味深い。
それにしても、直島というとここ数年で一気に有名になったので最近のスポットというイメージがあるけれど、実は何十年も昔からこのプロジェクトというのは動いていたんだなぁと、その話題になる以前の努力とか気持ちの入れ方みたいなものに心が動かされる。
本書でもいわれているとおり、そこが経済と違う(経済はすぐに結果が出なければやめてしまうだろうし)アートの強さなのかもしれない。


2012-02-15 | コメント(0) | 好奇心が満たされる | 読み終わった (2012年02月15日) |

イルミネーション・キス

橋本 紡

/ 双葉社 / 2012-01-18 発売



恋なのか友情なのか名づけようもない曖昧な、であったり、家族の、であったり、さまざまなシチュエーションの「キス」をテーマにした短編集だ。
表題作になっている王道の恋愛モノっぽい短編が好きかなぁ。


2012-02-15 | コメント(0) | 平板なかんじ | 読み終わった (2012年02月15日) |

ギリシア神話 (ちくま文庫)

串田 孫一

/ 筑摩書房 / 1990-01 発売



ギリシャ神話、って知っているようで案外知らない。
筆者のいっているとおり、簡単な入門書として読んでみて、「あ、これギリシャ神話がネタ元だったんだっけ」という逸話が数多くあってびっくりした。
王女メディナ、メドゥーサ、スフィンクス、エコー、キマイラ、ヒュドゥラ、王様の耳はロバの耳、ほかにもいろいろ。
そして、たとえばメドゥーサがどういう怪物かは知っていても、彼女がどういう成り立ちで怪物と化したのかは意外に知られていないんじゃないだろうか。そんな「知っていて知らない」エピソードをさらりと読むのがおもしろい。
筆者自身も言っているとおり、ギリシャ神話は諸説いろいろあって、この本がすべて正解、というわけではないのだろうけれど、へえ、と思うには十分な内容だ。
それにしてもギリシャの神様って無茶苦茶。絶対みんな思いつきで行動してるだろう、としか思えない身勝手さがいっそ笑える。
まあ、思いつきで狂わされたりかどわかされたり殺されたりしたほうはたまらないだろうけれど、そういう「きまぐれで、だけど逆らいようもない絶対的な力」というのが遥か昔にははっきりと存在していたんだろうと思う。


2012-02-10 | コメント(0) | 好奇心が満たされる | 読み終わった (2012年02月10日) |

星やどりの声

朝井 リョウ

/ 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2011-10-29 発売



湘南がモチーフになっているのか、「連ヶ浜」という海辺に、父親が設計して遺した喫茶店『星やどり』をひとりで切り盛りする母親と、上は結婚して社会人の琴美から、下はませた小学生の真歩まで、さまざまなキャラクターの6人兄弟が喧嘩したり仲良くしたりして過ごす日々を、それぞれの兄弟の視点でリレーのように追った一冊だ。
どうにも綺麗というか、わかりやすいコンプレックスや悩みがあって、定番・王道の青春小説&家族小説というかんじ。
母親や父親をはじめとする「大人」があまりにも清潔すぎて、いい話なんだけれど現実味がない。


2012-02-09 | コメント(0) | 平板なかんじ | 読み終わった (2012年02月09日) |

スイングアウト・ブラザース

石田衣良

/ 光文社 / 2012-01-17 発売



時代遅れの長髪のゲームプログラマー、頭髪の薄い信用金庫社員、太った飲料メーカー営業。
それほど優秀でもない大学を同窓で卒業したイマイチな33歳の男たちが、そろって恋人にふられたことをきっかけに、大学時代のマドンナが経営している恵比寿のエステサロンで「モテ男になるための講座」を受講して自分たちを磨いていく姿を追ったストーリー。
話がうまくいきすぎたりという面はあるのだけれど、石田衣良らしい軽い作風で、特徴的なキャラクターの三人組が右往左往するコミカルな展開は読みやすく、おもしろい。
世の中の男性みんながこんなふうにうまくいけばいんだけどな。


2012-02-09 | コメント(0) | 平板なかんじ | 読み終わった (2012年02月09日) |

花咲小路四丁目の聖人

小路幸也

/ ポプラ社 / 2011-11-10 発売



東京から一時間程度のところにある小さな町の、ちょっと元気のない花咲小路商店街のはずれで学習塾を営んでいる亜弥の父親は、かつてイギリスを騒がせた怪盗紳士・セイント。今は泥棒稼業から足を洗っているとはいえ、身近な人の幸せのためならば昔とった杵柄で魔法のような仕業をしてみせる英国人だ。
活気はないながらも平和だった花咲小路商店街に不穏な空気が立ち込め始め、セイントは「パーフェクト」な仕事をしようとする。
という、設定だけでも「ありえない」度満点の、おとぎ話として読むのに適した一冊だ。
いっそヤングアダルト向けにしたほうがおもしろい話だったと思うのだけれど、それにしては亜弥の年齢が25歳と中途半端で、しかも25歳ってこんなに子供か?とかつての自分を振り返りたくなるくらい性的な要素がなかったり直情的だったりで、なんとも宙ぶらりんな印象を受けた。


2012-02-05 | コメント(0) | ほんわかしたいときに | 読み終わった (2012年02月05日) |

トッカンvs勤労商工会

高殿 円

/ 早川書房 / 2011-05-20 発売



特別国税徴収官付きとして国税庁で働く、ぐー子こと鈴宮のお仕事奮闘記第二弾だ。
今回は冷徹やり手の鏡が取り立てた相手から訴訟されるというハプニングが起こり、ぐー子はそれまでなんとなくべったりだった鏡から独り立ちをしなくてはならなくなる。
相変わらずの失敗や暴走、へこむことも多いし愚痴も多いし、だめなところもあるぐー子だけれど、むやみやたらに仕事に希望や理想を抱かず、けれど飯の種と完全に割り切るでもなく働くことに向き合う姿はちょっといい。
ぐー子が感じる、「すき間を探す」働く女の気持ち、というのは、社会に出てある程度年数を経た女性ならばだれでも共感できるものなのではないだろうか。
新しいキャラクターも登場して、これはさらにシリーズ化しそうな模様だ。


2012-02-05 | コメント(0) | 元気になりたいときに | 読み終わった (2012年02月05日) |

ボトムレス

拓未 司

/ NHK出版 / 2011-10-13 発売



何かの罪を過去に犯したらしい老齢の男の述懐と、「死ぬほどうまい料理を出す店」といううわさのある古びておどろおどろしいレストランを訪問する人間たちの姿が交互に織り込まれている。
ド定番のホラーなんだけれど、オチがないというか、予測したどおりの展開で驚きがない。
ホラーを彩る小道具もありきたりだ。
登場人物を多く出しすぎて散漫な印象になってしまった気がする。
大食いのフードファイターやロハスに傾倒する女、このあたりの登場人物って物語に必要だったのかなぁ。単に、著者が「こういう考え方で食べ物に向き合う人間ってキライ」という定型のひとつとして出てきただけな気がする。
登場人物が多い分、話に繰り返しが多く、途中で飽きてきてしまった。


2012-02-03 | コメント(0) | 平板なかんじ | 読み終わった (2012年02月03日) |

だれかの木琴

井上 荒野

/ 幻冬舎 / 2011-12-09 発売



相変わらずこのひとは不穏な物語を書く。

持ち家を手に入れて新しい町に引っ越してきた主婦の小夜子は、夫と娘と平和に暮らしていたはずなのに、なにがきっかけなのか、きっかけすらないまま、ただ美容室で担当となり営業メールを送ってきた山田海斗という青年に執着を感じるようになっていく。
その、熱のこもらない、情もない、ただ怠惰に、うつむいたままずぶずぶと沈んでいくような小夜子の感情が恐ろしい。
最初はイタいなーと思っていたのが、コワいわー、という気持ちになっていく。

なにがおかしいのか、なにが原因なのか、わかるようでわからない。わからないけれど、なにかがある。
そのざらざらしていてそのくせヒヤっとするような、不意に触ったらぎょっとして手を引っ込めたくなるような感触が、決して愉快なものではないのについクセになる。


2012-01-31 | コメント(0) | とてもこわいもの | 読み終わった (2012年01月31日) |

お別れの、そのあとで

伊藤 たかみ

/ 光文社 / 2011-12-15 発売



タイトルの通り、「お別れの、そのあと」に「続く日々」を描いた短編集だ。
単純に離別、死別を経験したひとたちの物語、ではないところがうまい。
どの短編も心の角が少しだけやわらかくなるような手触りがあって好きだなと思った。
このひと、本当に人の描写がうまいなぁと思う。特に個性的な人物を描いているわけではないのに、短編でも、そこにちゃんと「人間がいる」かんじがする。
興奮して妊娠検査薬に自分の小水をかける男のエピソードがあるのだけれど、その行為に、彼の驚き、興奮、人格がみな表れている気がする。言葉で「~な人」って表現するよりもずっと強く、その人物がどういう人かわかる。
こういうエピソードってありそうだけどすっと出てくるものじゃないよなぁ、とうなりたくなった。


2012-01-30 | コメント(0) | なにか考えたくなる | 読み終わった (2012年01月30日) |

炎路を行く者 —守り人作品集— (偕成社ワンダーランド)

上橋 菜穂子

/ 偕成社 / 2012-01-24 発売



『守り人シリーズ』の番外編にあたる一冊。タルシュの鷹、ヒュウゴの過去を綴った中篇と、バルサの15歳の頃を描いた短編が収録されている。
番外編としても楽しめるが、ヒュウゴの物語は守り人シリーズを知らなくても楽しめるように思った。
家族を奪われ、故国を失った少年が、何を思い、何を見つめ、故国を滅ぼした国の兵となったのか。
上橋菜穂子の語る世界は、どっぷりファンタジーであるのに、地に足がついていてひどく自分と近しく感じる。自分のすぐ隣でヒュウゴが苦しみ、怒り、もがいているように感じる。
この人の物語は本当に太い。


2012-01-27 | コメント(0) | なにか考えたくなる | 読み終わった (2012年01月27日) |



このテの本、似てるとわかっていてもついつい手にとってしまう。器について多くの写真で紹介している一冊だ。
さまざまな人のお気に入りの器(とそれにあう料理)が紹介されていて、ああこんな使い方素敵だなぁと眺めているだけで楽しくなる。


2012-01-26 | コメント(0) | 好奇心が満たされる | 読み終わった (2012年01月26日) |


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