今作では、『堂島物語』で山代屋から下働きの娘と駆け落ちした百助の息子、万吉が主人公。『堂島物語』での吉左と同様、貧民から米の仲買人へと出世していく物語なのだが、欲が無く、真っ直ぐで、良い人間そのものの吉左と較べ、万吉はどちらかというと野心的で、少し拗ねた面も持ち合わせており、吉左とはまた違った出世人生を歩もうとする。ただ、出世物語と銘打ってはいるものの、まだまだ仲買人としての人生の入り口のところで今作は終わってしまうので、更にこの続きを読んでみたいところ。次作を楽しみに待ちたいです。
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富樫倫太郎
- 感想投稿日 : 2011年2月9日
- 読了日 : 2011年2月9日
- 本棚登録日 : 2011年2月1日
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