魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス F ハ 20-1)

  • ヴィレッジブックス (2011年7月20日発売)
3.83
  • (40)
  • (67)
  • (49)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 517
感想 : 58
3

TwilightシリーズのコメントをAmazonページで読んでいたためか、後日Amazon(Bot)さんから「あなたへのおすすめ!」としてこの本の紹介メールが届き、興味をひかれ読んでみました。著者の経歴がユニークでおもしろそうで。

上巻を読み終わったところで、ここまでの感想。

これは申し訳ないけど、訳が良くない、と言わざるをえないでしょう。
非常にぎこちなくて、直訳。ときどき描写が変。ひどい時は、言っていることの意味が分からなくて、でもどうにも読み飛ばすことができなくて、ネットで探してオリジナルの英文を確認してやっと理解するはめに。
特に分かりづらかったと記憶に残っているのは、マーカスとマシューの出会いを追憶するシーン(360ページ)。
舞台がいきなりアメリカなんだってこと、「ブランディワインの戦い」だけでは普通の日本人には分からないでしょう。少なくとも私は分かりませんでした。独立戦争中だということくらいは、たとえ原文になくても入れるべきでは?
更に、英語は同じ語の繰り返しを非常に嫌うために、別の語で言い換える傾向にあるのですが、それを直訳し過ぎているために、誰が誰だか分からず、シッペン医師を罵倒するフランス人兵士って誰?この「自分」はどの「自分」?等々、混乱が混乱を呼ぶ。
おもしろいシーンなのにイライラ。

まあ訳への文句はそれくらいにして、内容ですが、まず思ったのは、マシューの描写(所作とか性向とか)がTwilightのエドワードとそっくり!
失笑するくらい似てる。魔女の血は「歌う」、だから強く惹かれる、と表現しているところなんかはtwilightの「La tua cantante」が想起させられるし。
とにかくどちらも同じヴァンパイアだから、という説明では納得いかないくらい似ているので、さては作者はTwilightシリーズのファンなんだな、そしてエドワードが大好きで自分でもそういうのを書いてみたくなったのかな(でもベラは嫌いだからもっと自立した女性を主人公にしたくなったのかな?)、などと邪推する私。
ところが、英語版Wikiの著者のページを読むと、著者はアン・ライスのヴァンパイアものは読んでいたけど、Twilightシリーズは読んでない、と書いてあった。
・・・・ほんとかなぁ?(笑)

不思議なのは、明らかにプロットはTwilightより凝っていておもしろいと思うのに、読んでいてもTwilightみたいにノリノリにならない。キャラクター達への興味もそんなにわいてこない。なぜなんでしょうね。
魔法がかかった本や、マシューの過去や、主人公の能力や、家族の過去など、興味深い「謎」がてんこもりで、本来なら続きが気になって気になってしょうがない状態になりそうなんですが、あんまりそういう気持ちにならず。
逆に、細かいところがまるで小姑のように妙に気になって困りました。たとえば、食事を必要としないヴァンパイアがワインにこだわったり、驚くほどおいしい食事を喜々として作ったりするかな?とか。マシューとのディナーで主人公が身につける服装がオバサンぽくて趣味が悪いな~、とか。

あっ、ネガティブなことばかり書いてしまった。
最後に良かったところをひとつ。
オックスフォードの宿舎の様子とか、図書館の描写とか、ボートやリサーチに没頭する描写など、そこで過ごした人しか知らない部分の描写はとっても素敵でした。

さて、これから下巻を読みます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(海外)
感想投稿日 : 2017年2月15日
読了日 : 2017年2月15日
本棚登録日 : 2017年2月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする