個人的には、「雪国」よりこの作品が好きです。(「伊豆の踊り子」は別格)
なぜなら、太宰の「斜陽」に似た、静かな崩壊系が大好きなテーマだからです。
この作品は、静かに壊れていく様子を冷静につづっているのです。
ストーリーは、戦後、お嬢様バレリーナだったお母さんと、バレリーナの夢を託される娘、お金ないダメな大学教授のだんなさん、間に挟まれる息子。
お母さんは、つまり、精神的に浮気しております。
でもそれは決定的でない。プラトニックだからね。
だけど、周囲はだんだん気がつき始めます。
でも別に、お母さんの恋が原因で、家族のなんとなーくの不協和がはじまったんでもないの。
何が理由かみんなわからないのだけれど、違和感があるんですよ。
どうしてかしらねえ、、、、、
で、お話終わり、みたいな。
恋愛も結婚生活の終わりも、なんだって、終わりは、なんとなくやってくると思うのです。
そこに、理由なんて無い。
ただ、崩壊に向かうだけ。
淋しくも悲しくも無い。
そんな感じ。「斜陽」よりもあっさりと、崩壊を描いていて、好きです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年2月9日
- 読了日 : 2011年2月7日
- 本棚登録日 : 2011年2月9日
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