舞姫 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1954年11月17日発売)
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本棚登録 : 903
感想 : 71

個人的には、「雪国」よりこの作品が好きです。(「伊豆の踊り子」は別格)
なぜなら、太宰の「斜陽」に似た、静かな崩壊系が大好きなテーマだからです。
この作品は、静かに壊れていく様子を冷静につづっているのです。

ストーリーは、戦後、お嬢様バレリーナだったお母さんと、バレリーナの夢を託される娘、お金ないダメな大学教授のだんなさん、間に挟まれる息子。
お母さんは、つまり、精神的に浮気しております。
でもそれは決定的でない。プラトニックだからね。
だけど、周囲はだんだん気がつき始めます。
でも別に、お母さんの恋が原因で、家族のなんとなーくの不協和がはじまったんでもないの。
何が理由かみんなわからないのだけれど、違和感があるんですよ。
どうしてかしらねえ、、、、、

で、お話終わり、みたいな。

恋愛も結婚生活の終わりも、なんだって、終わりは、なんとなくやってくると思うのです。
そこに、理由なんて無い。
ただ、崩壊に向かうだけ。
淋しくも悲しくも無い。

そんな感じ。「斜陽」よりもあっさりと、崩壊を描いていて、好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年2月9日
読了日 : 2011年2月7日
本棚登録日 : 2011年2月9日

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