漢字のサーカス 常用漢字編2 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年1月21日発売)
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感想 : 2
3

 本書は漢字をデザイン的にパズルにした問題集である。そう「デザイン的に」という所がミソ。この本には見てるだけで楽しい、面白いといった漢字のパズルが沢山ある。例えば漢字のつくりをアルファベットにした「英漢字」、同じ字を45°ずつ傾け重ねて造った「風車」、垂直線や水平線だけ書かれた状態から元の漢字を当てる「垂直線(水平線)からの発見」など実にバリエーションに富んでいる。

 中でも僕が特に感心したのは冒頭のカラーページにある「イメー字」だ。ある一字の漢字からイメージされるものを用いてその文字をデザインしている。見てて本当に楽しいし、答えが分かった時の快感もまた格別だ。こうしたパズル集の題名に『漢字のサーカス』と名付けたのは実にぴったりした形容だと思う。

 著者は漢字を親しみながら覚えて欲しいと言ってはいるが、正直漢字のおべんきょーとしては使えない本。アンサーの箇所に漢字の書き順があるあたり著者の漢字を知ってほしいという意図が窺えるが、漢字自体も常用漢字しかなくて問題としては簡単すぎる。とにかくデザイン的に楽しむ、というのが肝要なのだ。そしてあわよくば漢字の世界に興味が持てればいいのだろうと思う。

 もし書店で本書を見かけたら、軽い気持ちで良いから手にとって開いて欲しい。そこにはあなたの見たことのない、漢字の可能性が詰まっているだろうから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年2月5日
読了日 : 2011年2月5日
本棚登録日 : 2011年2月5日

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