株価暴落 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年3月10日発売)
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巨大スーパー一風堂を企業テロの標的にし、株価を暴落させることで巨額の利益を得ようとした犯行動機のからくりー信用取証券会社から借りてきた他人の株券をカラ売りすることで、売却代金を得た後、下落した株価で買い取り、借主にその株券を返すことで儲けが出るーにはなるほど!とうなった。

ただ、一風堂への巨額支援をめぐって企画部の二戸と対立していた白水銀行審査部の坂東が、二戸に不正の証拠を突き付け、返り討ちにする痛快劇の場面が描かれずに終わってしまった点が物足りなかった。

「空飛ぶタイヤ」や半澤直樹シリーズに登場した東京中央銀行のライバル白水銀行が舞台となっている。たくさんの作品に何回も登場するので、次第に実在感が増してくるが、これも池井戸マジックなのかな。

そして今回も銀行の人事部は悪者の肩を持ち、正義を貫こう、銀行を守ろうとする主人公坂東を追いつめていく。銀行の人事部って嫌なところ!と一層むかっ腹が立った。またもや池井戸マジックにかかってしまったようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池井戸潤
感想投稿日 : 2016年3月4日
読了日 : 2016年3月3日
本棚登録日 : 2016年3月4日

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