母親、妹、食堂の奥さん、元歌神楽女(本当は違うのだが本人は思いこんでいる)から愛を押しつけられ、うざく感じている主人公。
もしかすると自分がくるっているのか、わからなくなった。
自分以外も世の中全体が病んでいるということを訴えている作品。
歌神楽女(かがらめ)
舞を踊ってかっこ(大昔の打楽器)を打ち、足拍子を鳴らして魂揺すりをし、神を自分に降ろして託宣を告げる巫女。一子相伝の世襲制の職能といってよく、歌神楽女となった女性は生涯処女。恋愛も結婚も出産も許されない。歌神楽女を選ぶのは神。神の選定の徴(しるし)が額に薄く浮き出た八の字。歌神楽女が禁を犯して男に走れば、これまで男性との関わり一切を禁じらてきた何代もの歌神楽女の情念が一気に噴出し、その歌神楽女は自らを失い、色恋に狂い、関わった男も自らも不幸の底に落ちる結果となる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
人情物
- 感想投稿日 : 2012年11月11日
- 読了日 : 2012年1月21日
- 本棚登録日 : 2012年11月11日
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