この本を手にする読者は概ね会津藩の話だと判ると思われるのに敢えて「東雲藩」という架空ほ藩を設定したのはこの物語がフィクションである旨の意思表示か。
未だ戦火の記憶を残す明治初めの函館。函館山の中腹にある碧血碑に参る草野霖平を夫の仇と狙う女がいた。
戊辰戦争の末、流れ着いた函館の地に新天地を求めた男女の抱え込んでしまった物語。
中編三編からなる本書には「舞燈籠」で登場した京都祇園の芸妓の行末も語られ、三編の狂言回しとなるナギの来歴だけが描かれなかったので、他作品でナギが語られるのが楽しみ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年6月25日
- 読了日 : 2013年6月25日
- 本棚登録日 : 2013年6月25日
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