数奇にして模型 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2001年7月13日発売)
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本棚登録 : 6919
感想 : 456
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正常と異常の違いだって?ミステリとミステリィの差みたいなものだよ
 派手な不可能犯罪で開幕かと思いきや、少し事情が違います。首を切断した理由にとりわけスポットが当てられており、ホワイダニットの要素が強いです。シンプルかつスマートなトリックは、シリーズ共通の読後感がありますが、これまで以上に森ミステリィの真髄というものを感じました。
 もう一つ言えるのは、犀川&萌絵にしても、新登場の大御坊らキャラクターの見所が5割増しだということ。それとミステリの部分は関係ないと思われがちですが、そうとも言えないのが本シリーズの魅力でしょう。
 正常と異常の問いかけが興味深いです。例えば、正常なミステリというのはあるのでしょうか。面白いミステリはいつだって異常ですし、そう思う私は正常なはずです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 森博嗣
感想投稿日 : 2016年10月1日
読了日 : 2016年9月
本棚登録日 : 2016年9月27日

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