『踊る猫』に続く、与謝蕪村と物の怪たちの妖異奇譚二作目。
相変わらず、表紙が可愛すぎる。
前作に比べ、更に読み易くなった気がするし、文量からも子どもでも充分この不思議な世界に入っていけるだろうな、と思う。
ちょっと大きくなった子どもと、ゆっくり堪能して欲しい。
一番のお気に入りは、「鈴虫」という妖刀の話だ。美しい男と、美しい刀が成すラストがなかなか絵になって素敵。
それから、お盆の迎え火を題材にした「虫鬼灯」もじんわりくる。
あの世とこの世の狭間は、いつも日常のほんのすぐそこに口を開けている気がして、そういう何気なさを描くのが上手い。
今作では与謝蕪村の美術に対する考え方や、若冲も出て来て、個人的に満足。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2014年
- 感想投稿日 : 2014年9月13日
- 読了日 : 2014年9月13日
- 本棚登録日 : 2014年9月13日
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