みかづき

著者 :
  • 集英社 (2016年9月5日発売)
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本棚登録 : 4592
感想 : 601
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親子三代、塾という舞台で教育に人生を捧げた一族の壮絶な物語。

「一滴一滴血をたらしつづけ、その血を他人に飲ませて、そのため自分が痩せ衰えるのを知りつつなおかつ愉快であった」ーー魯迅は、教育の本質について語った。

見た目が美しい三日月。だが、太陽でなく月であること。

満月でなく、欠けた月であること。その自覚こそ、人が研鑽を積み続ける原動力と。
教えるという行為の中に潜む、魔性のようなものとの戦いをくぐり抜ける中に、本物の人間教育があるのだろうか。

三代に渡る尊い苦悩と聖業の美しくて激しい物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年4月21日
読了日 : 2017年4月21日
本棚登録日 : 2017年4月21日

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