アガサ・クリスティの代表作。映像化もされているが、レトロでエキゾチック
な雰囲気は原作ならではの良さがある。
時代物のミステリーでは、アリバイなどの証明は主として参加者の証言を基
にされますが、本作も多分にもれず、いかにも怪しい、もしくは犯人にふさわしくない
キャラクターたちが、名探偵、エルキュール・ポワロ氏とスリリングな駆け引きを
繰り広げてくれます。
この作品の魅力は、事件とトリックもさることながら、この時代を生きた人に
しかわからない「常識」、例えば「いささか愚鈍なれども、名誉を重んじる
真っ正直なイギリス人が、ナイフで12回も相手を刺すことなど! ありえないと
思いませんか、友よ!」 といった言い回しが各所で描かれていて、現代の読者
には新鮮に見えることだと思います。
少々、皮肉屋のポワロ氏が様々な人種と、階級の人たちが乗り合わせた豪華
寝台特急「オリエント急行」で偶然出くわした殺人事件。
犯人は様々な痕跡を残してはいるが、12人の容疑者たちには、それぞれ決定的な
一手が欠けていて・・・。 ミステリーを読みなれた人でも、ラストの展開は予想し
得ないと思います。
ネタを知ってる人も、一度原作を読んでみることをお勧めしたい作品です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリー
- 感想投稿日 : 2017年4月20日
- 読了日 : 2017年4月20日
- 本棚登録日 : 2017年4月12日
みんなの感想をみる