くびすじの欠片: 野口あや子歌集

著者 :
  • 短歌研究社 (2011年7月1日発売)
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感想 : 4

歌集を読むのは穂村弘さん「短歌ください」以来。それは入門編としていろいろな人の歌が載っていたけれど、個人の歌集として読んでみたいと思ったのは初めて。読書好きさんのレビューに魅かれて。
五・七・五・七・七の並ぶ言葉で鮮やかにその場面を映しだす。その一文で一気にどこか過去のような想像の先のような場所に立たせてくれる。
改めて短歌ってスゴイと感じた。
ちょっとした畏怖を感じるくらい。
私のお気に入りは「パンシェへの流れを見せる先生の胸の廃墟にうつる夕空」
「コントミンその軽やかな名を持ちてわたしのなかの私を奪う」
「甘いだけの恋がしたくて口腔でどろどろ溶けていった絹糸」
まだまだあるけれど。
言葉は、自分で思っているより記憶と繋がっているんだな。
野口さん第二歌集の「夏にふれる」も読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月5日
読了日 : 2016年6月5日
本棚登録日 : 2016年6月5日

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