鯛ヤキの丸かじり (文春文庫 し 6-37)

  • 文藝春秋 (1997年11月7日発売)
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感想 : 8
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『桜桃、応答す』
さくらんぼの形は、確かに誰かがデザインしたのかと思うほど愛らしい。クリームソーダやあんみつにさくらんぼが載っているかいないかで、かなり有難みは違ってくると思う。さくらんぼ一つについて語るだけでも、「アベ・マリア」を歌い出す女性が出てきてしまうのだから、東海林さんの本は面白い。

『懐かしのアメ玉』
あめ玉を見ているとときめく気持ち、わかる。
私はゼリービーンズのカタチが好きです。味はあんまり好きじゃないけど。

『都庁近辺昼めし戦争』
昼食難民という言葉、ニュースで聞いたことある気がする。
新都庁にさっそく行ってみる東海林さんの行動力。
いつも思うけれど、東海林さんの行動範囲の広さ、
フットワークの軽さ、見習わなければならないなあと思う。
「結論を先に申しあげる。全然込んでない。」の一文に思わずフフッとなる。

『トーストの幸せ』
冒頭の一文
「焼きあがったばかりのトーストって、幸せに満ちていると思いませんか。」
に、全力で同意したい!激しく同意したい!!
はげど!!!(もう死語ですか?)
焼きたてのトーストにバターを塗って、淹れたてのコーヒーを飲むひとときが好き!!私はバタートーストを少し楽しんでから、そこにハチミツを垂らします。

『偉業としてのラーメンライス』

『あれが嫌い、これが嫌い』

『陽のあたる場所』

『豚汁の怨念』

『バナナの気配り』
バナナがどれだけ食べる人に奉仕してくれていたのか、しみじみとわかる章だった。もっとバナナを敬わなければ。

『タコのシャブシャブ』

『ぬかみそおじさん』

『ゴハンの出向』

『ニッポンの朝食』

『荒れメシさまざま』
東海林さんでも、ウツになるときがあるんだなあと思ってちょっと驚いた。

『カレーパンの空洞』

『桃汁娘』

『甘いの構造』

『危うし味噌汁』

『水上バーベキュー』

『うどんの中の卵』

『‘‘正午の月給取‘‘』

『回るテーブル』
高級な中華料理店にあるやつですね。
一度だけ体験したことがありますが、めちゃくちゃ気を使いますね。

『おしぼりの技』

『現代の‘‘狩り‘‘』

『逃げろ!鯛焼きクン』

『ビンの牛乳』

『持ち帰る人びと』

『「すなっくらんど」は宝の山』

『おでん屋襲撃』

『お茶漬けのため息』

『初春長屋英語問答』

『天ぬき食べたか』

『乾きもの一族』

『ビーチバレーかスイクラか』

『生ビールへの道』
めちゃくちゃ頷ける章だった。
もうなんでもいいのッ!ってなる気持ち、わかる。
関西人はせっかちなわりに、細かいことにこだわる時もあるから、非常にわかる、この焦燥感。

解説は野村進さんです。
東海林さん愛に溢れた好感のもてる解説でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2017年6月19日
読了日 : 2017年6月27日
本棚登録日 : 2017年6月19日

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