「救い」のものがたり。
人はみんな不甲斐なさを持っていて、その露呈をごく自然に描いているのがこの作品。登場人物それぞれの視点で語り紡がれるが、すべての章においてじっとりした仄暗さが漂う。語り手口調の文章なので章毎に空気は変わるはずなのに、その仄暗さがすべての章をひとつに束ね、作品を完成させている。
人のどうしようもなさを読者に見せつけながらも、最後には明るい未来を予期させている。性と生、そしてその救いを知る作品。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月8日
- 読了日 : 2017年5月8日
- 本棚登録日 : 2017年5月8日
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