ダブリンという街の横顔ではある。
けれども、これでダブリンが分かるというふうでもない。
そこに人がいる。
細かいニュアンスはすくい逃してしまうけれども、
どこにいても人人はこんな感じであったろうとも思う。
田舎の中心としての、
ルサンチマンを引き受けざるを得ない場所のありとあらゆる処で
主人公になり損ねたような人物ばかり溢れかえっている。
そうした諸々が、けれども実際にはそれでも感銘を与え
人に賞賛させるようなことがあるとすれば、
それは単にそのキャラクターにかかっていたのではないのだ。
ごく慎み深い、人生への敬意を感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・物語
- 感想投稿日 : 2011年6月5日
- 読了日 : 2011年5月27日
- 本棚登録日 : 2011年6月5日
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