セーラー服と機関銃 角川映画 THE BEST [DVD]

監督 : 相米慎二 
出演 : 薬師丸ひろ子  渡瀬恒彦  風祭ゆき 
  • KADOKAWA / 角川書店
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感想 : 6
4

「カイ・カン~」(薬師丸ひろ子)

のセリフで一世を風靡した作品です。懐かしい~。
ところどころ観た記憶があるものの、ちゃんと観たのは今回が初めてです。

1981年角川映画。監督は相米慎二で、原作は赤川次郎の同名小説です。
主演は角川映画の看板娘、薬師丸ひろ子。
主な共演は渡瀬恒彦、風祭ゆき(妖艶な美女!)、柄本明(若い!)など。
その他に、大門正明、柳沢慎吾(若い!)、佐藤允、北村和夫、寺田農、三國連太郎で、ちょい役で、藤原釜足、角川春樹も出演しています。

伝統あるヤクザ目高組の組長(藤原釜足)が死んだ。後継ぎに指名されたのは甥であるが、その甥も自動車事故で同じ時期に死んでしまっていた。たった5名の目高組ではあったが、組を守るため若頭(?)の佐久間(渡瀬恒彦)が目を付けたのは、その甥の一人娘で女子高生である星泉(薬師丸ひろ子)であった。ここに、セーラー服を着た組長が誕生した・・・。

「♪さよならは別れの言葉じゃなくて~、再び会うまでの遠い約束~、夢のいた場所に、未練残しても、心寒いだけさ~、こーのまま~、何時間でも~、抱いていたいけど~、ただこーのまま~、冷たい頬を~、あたためたいけど~」(薬師丸ひろ子)

セーラー服姿でブリッジしている薬師丸。甲高い声でわめき、床を這いまわる薬師丸。ん~、何とも破天荒な映画アイドルの誕生ですね!(笑)しかし、本作で薬師丸ひろ子の人気に火が点いたといってもよく、彼女の魅力が爆発した一作でありました。
ちょっと演技が派手過ぎるきらいもありましたが、こういった軽いノリの映画には合っていたともいえますね。しかし、クレーンに吊るされたり、十字架に架けられたあたりはちょっとやり過ぎだったのではないかと・・・。(笑)
そういう意味では、作品自体は軽いノリのアイドル(?)映画だったとは思いますが、相米慎二監督のこうしたシュールな演出が目を引いた一作でもありました(まあ題名もシュールだけど)。さらに本作では長回しの撮影が頻繁に使われていて、緊張感のある演技につながっていたのではないかと思います。また、構図の面白さや凸レンズの使用など、かなり監督の意欲があらわれた作品だったといえるでしょう。
共演の渡瀬恒彦は、薬師丸ひろ子のアシスト役として、ある意味準主演のような感じでとても良かったです。この人あんまり年齢を感じさせない俳優さんですね。今とあまり変わらない風貌と演技とで本当に安心感がありました。
そして、個人的に好きだったのが風祭ゆきです。色気むんむんの細身の美人で自分の好みです。(笑)いいなあ~。渡瀬恒彦との濡れ場シーンはもっと大胆に見せて欲しかったです。(笑)いや、修正部分はあるにはあったのですが、体勢を考えると渡瀬恒彦の尻だったと思われ、そんなものは見たくないので、これは修正しておいて正解でした。(笑)
本作は赤川次郎原作ということで、ライト感覚のミステリーっぽい作品で観ていて気が楽だったのですが、映画だけかもしれないですが、物語の展開がかなりファンタジーで、それぞれのヤクザの青春群像(!)も描いていて、振り返ってみれば割とテンコ盛りの作品だったとも思います。反面、寺田農と三國連太郎が出てきたあたりから、ミステリーとしての展開は「!」の部分が増えてきて(笑)、ラストのカタルシスである機関銃の場面につながる流れにいたっては、なんで機関銃掃射することになったんだっけ?てな具合で、ちょい疎かになっていたかもしれません。(笑)
機関銃掃射については・・・、まあこのためだけにストーリーが展開されてきたようなもので、もっと派手に掃射しまくっても良かったのでは?
最後にもう一度、風祭ゆきが見たかった!あれ?(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本映画
感想投稿日 : 2016年7月18日
読了日 : 2016年7月16日
本棚登録日 : 2016年7月18日

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