国際テロ〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2005年7月28日発売)
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本棚登録 : 197
感想 : 9
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昨年訳出された若き日のジャック・ライアンが活躍する「教皇暗殺」がとても面白かったので、今回も期待してしまったのだが・・・。

ダーク・ピットの新作でもそうだったけど、なんで2世ばかりが登場するかなあ。2世ってねえ、世の中見回しても、政界(特に)、財界等、どうしてもマイナス・イメージがつきまとう。万世一系といっては大袈裟ですが、世襲のスタイルに習おうとするのは、なにも我が国だけのことではなかったのか、悲し。

ヒーローものもなあ、直系の親族にのみ活躍を託すなんて展開になってはねえ、なんだかなあ、新しい血入れんかいって。

ライアン2世や甥っ子達が属する秘密機関が、昨今はCIAでも躊躇するような暗殺行為を、やたら屁理屈つけて行ってしまおうっていう独善的な視点は、到底肯けぬところ。そんな違和感は最後まで拭えず仕舞い。

国がやらぬから私機関が、それも非合法でやる、となっては単なるリンチ集団ではありませぬか。

とはいえ、話が面白ければ、それなりにのめり込むこともできたはず、上下巻、ほとんど盛り上がることなく、読了。うーん。

最新軍事テクノロジー注入方フィクションでは、更に混迷を極める過酷な現実世界に対応出来なくなったってこと?

ジャック・ライアンものはもう終わってしまったのだろう。

それにしても、下巻の帯の文言、実にタイムリーですなあ。
(2005年記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2013年6月17日
読了日 : 2005年8月28日
本棚登録日 : 2013年6月17日

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