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牢屋でやせるダイエット (青春文庫)についてのmlchildさんのレビュー


レビュー by mlchildさん

現代日本文学   読み終わった  読了日 : 2010年12月28日  5  登録日: 2010年12月28日

護送される車の中、麻薬取締官を「この手錠、これ、抜けますね」と言って脅かし、留置所の四角四面な規則に腹を立て、風呂に入らないという「フロスト」を敢行し、俗にいう「くさい飯」を「心を込めて冷やしてある」以外は「うまかった」と言ってみたり…。大麻取締法違反で逮捕、拘置された22日間の留置所生活を綴った中島らもの抱腹監獄エッセイ。

「教養とは、一人で時間を潰すことのできる能力である」
本書での中島らもの言葉。
本当にもっともだなと思う。

もしこの世界が中島らもの言うように「監獄」なのだとしたら、
私たちが生きるために最も必要な能力とは、
やはり教養なのだろうなと思う。
お金なんて何とでもなる。
取調官や看守たちとの愉快なエピソードの数々も、
おそらく中島らもなりにシビアな現実に「教養」という武器をもって立ち向かった証拠なのだろう。
そういう世界との戦い方こそが本当のクリエイティビティだと思う。

中島らもは弱い人間かもしれないが、
弱い人間なりに必死に世界と対峙したのだとつくづく思う。
それこそ本当の人間の強さだ。
人に従うだけで戦ってすらいない人間には何も言う資格はない。

笑ってしまうネタのオンパレードだが、僕にとっては泣ける話の連続。
個人的に中島らもは天使に列聖しているのです。
亡くなってしまったけど、今でもミナミのどこかで酒を飲んでいると信じています。 レビュー登録日 : 2010年12月28日


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