黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年5月29日発売)
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本棚登録 : 445
感想 : 61
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2012.11.5~12 読了
う~む、医療技術を悪用した最悪の事件である。犯罪者を生み出す遠因として貧困、育児放棄、虐待など幼時体験や環境が指摘されることが多いが、”吉田純子”の場合は類似の体験がなく生い立ちから推測できない犯罪者でありサイコパスと思われる。心理学者の定義「サイコパスは社会の捕食者である」という言葉が解りやすい。つまり他人への思いやり、罪悪感、後悔の念などは一切持たず、自分の欲望のままに行動し周囲の人間を壊してゆく、ということだ。人類社会にこのようなサイコパスが紛れ込むという現象をどう捉えればいいのか。欲望のままに生きた類人猿の頃まで先祖返りした人間がいるということか、しかも現代の知恵を身につけて・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養・文化・社会
感想投稿日 : 2012年11月7日
読了日 : 2012年11月12日
本棚登録日 : 2012年7月9日

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