財務省 (新潮新書 475)

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  • 新潮社 (2012年6月1日発売)
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榊原英資"財務省"を読む。

99年に財務官を最後に退官した国際派(すなわち傍流)の「ミスター円」による財務省インサイドガイド。

退官後も濃厚なつながりを保っておられたようで、興味深い事実が述べられています。法案づくりに深く関与する官僚はかなりの程度「政治家」である、フランスなどでは公務員が政治家となるための期間は休職し戻ることができる、などなど。

今後の楽しみのためとして新規入省者の名前・母校・出身地を並べてみたり、明治維新以降の歴代次官と出身母体を比較してみたりと、豊富な名簿資料を活用するとともに、随所で岸宣仁『財務官僚の出世と人事』に言及しており、著者なりの見解を示したかったようにも思われます。知識人の魂が感じられます。

◯「二重の駒型」昇進モデル
キャリア→係長26歳、補佐32歳、課長40歳
ノンキャリア→係長32歳、補佐44歳

ノンキャリアのパターンが我が社の昇進モデルに近いようです。中部地方政令市、昇任試験制度あり→31歳係長、45歳課長(補佐級は制度なし)

【引用】
◯日本の国会議員達は「立法者」というより、アメリカでのロビイストの役割に近い存在です。選挙区や業界団体の要望等を背景に、立法についてのロビイングを行うわけです。

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感想投稿日 : 2015年2月20日
本棚登録日 : 2015年2月20日

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