本をめぐる冒険の記録»
読んだ本・雑誌を片っ端から記録して、自分の読書傾向を探ってみようと思いついた。コメントもきちんと書く予定。いつか読み返して、「あの頃は若かったなあ」と微笑んだり、「すごい洞察力だ」と驚嘆したり、「バカじゃないの」と恥じいったりしたいと考えている。が、自分の心の奥底を覗きこんだとき、実際には何も考えていないことに気づかずにはいられない。 そういったわけで読書の記録である。続きますように。
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破滅に向かって突き進んでいく一行が痛々しい。
失敗を約束された逃避行だった。見張りの衛兵たちも、宿駅に潜む危険も、明敏な敵方の将も脅威だったろう。が、そんなものとはくらべものにならないくらい重大な不安要因を、内部にはらんでいたのだ。
それは国王ルイその人。事態の認識が甘く、危機意識に乏しく、そのうえ優柔不断。しかし王であるがゆえに誰も口出しできない。よくできた計画が失敗に傾いていくターニングポイントは、ほぼすべてがルイ絡みだ。後半は「ここで決断していたら」という場面のオンパレード。
が、しかし、そこで決断できるようなら、そもそもこんな場面に立たされてはいないはず。「あの時こうしていれば」はあり得ない。すべては、なるべくしてなった展開なのだ。
ここまでくると、これはルイ個人の責任でもないような気がしてくる。ルイはもともとこういう人なのだから。子どもに大仕事(国連の運営とか軍隊の指揮とか)を仕切らせるようなもので、失敗の責任は当人より任命権者にあるだろう。ルイの人物を読みきれなかったフェルゼンの負けだ。
計画にルイを含んだ時点で――といって含まざるを得まいが――失敗だったと思う反面、似たようなことはいつでもどこかで起こっているとも思う。本書に既視感を覚えたのは、この事件の顛末が山岳遭難のドキュメンタリーに酷似しているからだ。
危険性を正しく認識しないまま出発。歯車が狂い始めても気にしない。やがてそれまでのツケが噴出、周囲が一気に牙をむく。正しい判断を下せず、最後のチャンスを取り逃がす。
昨夏、子供連れでビバーク寸前という事態に陥ったときのことを思い出す。まさにヴァレンヌ逃亡事件そのものだった…(ほかの人はあまりそう思わないかもしれないが)。私にはとても王を責めることはできない。
あのときのことはわが家にとって実に貴重な経験で、本当に勉強になった。(遭難関連の本も山ほど読んだし。)人は変われる。王一家にしても、ヴァレンヌ事件でさぞいろいろ学んだことと思う。それを生かす次のチャンスは、もうなかったが。
2012年04月18日
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歴史
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読み終わった
(2012年04月18日)
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アラビアンナイトをすばなしのテキストに使うという発想にびっくり。うまくいけば、すごくおもしろくなりそう!ただし難易度は高い。
読みものとしてもおもしろい。が、かなり削ってあるので、アラビアンナイトを知っている人にはものたりないと思う。子どもが初めて出会うアラビアンナイトとしておすすめ。
あとがきも勉強になりました。
2012年04月16日
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児童書
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読み終わった
(2012年04月16日)
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恋のために幽閉された娘ジリアン。その恋人ロビン・ルーの嘆きを見かねた旅の歌い手が、難攻不落のリンゴ畑にのりこんでいく。
リンゴ畑で語られる6つの恋物語と、リンゴ畑では語られない7つめの恋物語。すべての様相が一変するどんでん返しが素晴らしい。
中学生の頃この本が大好きだった。どんなに好きだったか、ちょっと見当がつかないくらいである。(もっとも、そういう本は他にもある。中学時代は読書lifeの華だった。)
続編『ヒナギク野のマーティン・ピピン』のために、この7つめの恋はさらに輝きを増す。…胸が痛むほどに。
2012年04月11日
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児童書
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読み終わった
(2012年04月11日)
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数はそれほど多くないが、いろいろなタイプの話があっておもしろかった。
日本の神話・昔話を彷彿とさせるものがいくつかあって、起源についていろいろ考えさせてくれそうである。太陽が岩戸に隠れる話(『天地のはじめ』)とか、麦盗みの話(『犬になった王子』)とか。『犬になった王子』についてはとくに、日本の昔話と違うところが気になる!これは食料供給を安定させるために種麦を盗みに行く話であるが、『昔話の年輪80選』(稲田浩二)によると、類話がたくさんあるらしい。どれも盗む対象は麦もしくは雑穀。つまり、この話の成立は稲作以前にさかのぼる可能性があるのだ。しかもかならず犬が登場するのだとか。なにか人類学の秘密の扉が開きそうな気がするではないか!類話を読まなくっちゃ。
2012年04月11日
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民話・昔話 アジアアフリカ
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読み終わった
(2012年04月11日)
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イギリス(アイルランドを含まない)の昔話、木下順二訳。
話自体は全部知っているものだったが、それだけに 翻訳が違うとここまで違うということに驚かされた。個人的な好みからすると、本書は訳者の色が出過ぎであると思う。昔話は本来おもしろいものなので、そのままさしだしてくれるだけでいいのだが。
また、声に出して読むための文章でないのも意外だった。劇作家なのに。『かにむかし』のリズミカルな響きとはずいぶん違う。このままでは、素話のテキストとしては使えないだろう。
さらに、「訳者の流儀」ではすまされない重大な違いがいくつかあってすごく気になった…。(だが原典に当たるほどの気はしない。)
知らない話だったら楽しく読めたのだろうが。感想をひとことで言うと『違和感』だ。
2012年04月10日
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民話・昔話 ヨーロッパ
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読み終わった
(2012年04月10日)
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アジア・太平洋の子どもたちが、本を通してお互いの国に対する理解を深めるために編まれたもの、とのこと。
てっきり昔話の本かと思ったら、ほとんどが創作だった。昔話のひきしまった文体、完璧な構成を楽しみたいときに 創作童話を読んでも、満足するのは難しい。というか、けっこうがっかり…。
2012年04月03日
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児童書
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読み終わった
(2012年04月03日)
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昔話をなぞなぞ仕立てにしたなぞかけ昔話シリーズ、第三弾。
対象年齢は10歳以上だが、ヒントを出せばもっと小さい子にも解ける。逆に10歳以上でも、ヒントがなければ難しい。5,6人でやると白熱!ヒントを小出しにして少しずつ正解に導いていくおもしろさが、読み手の醍醐味である。
先週娘のピアノ教室では、発表会前の合同練習という一大イベントが行われた。待ち時間に本シリーズを読むと、子どもたちがわらわらとよってくる。3日目くらいから、タイトルをメモしていく子や「どこで買えるの?」「図書館にある?」と聞く子も出てきて、たいへん好評だった。
謎には、古来人を魅了し続ける何かがあるのだろう。とにかく、たまごっちには完勝。
2012年04月01日
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絵本
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読み終わった
(2012年04月01日)
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かわいいイラスト・飾り文字・飾り罫などがかんたんに描けるコツ満載。絵の好きな娘に買ったのだが、どちらかと言うと 絵が極端に苦手な人(←私)にこそ便利な本だと思う。買ってよかった!
2012年04月01日
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読み終わった
(2012年04月01日)
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ビッケの最終巻、待望の本邦初訳!…ではあるが、残念ながらイマイチだった。だから今まで訳されてこなかったのか?
なにしろリズムも後味も悪い。5巻を書いてから本書を書くまでのあいだに、作者に何か不幸な出来事があったのでは…とまで考えてしまった。
ただし子どもたちには好評。
2012年04月01日
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児童書
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読み終わった
(2012年04月01日)
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はるか遠い地から金玉鳳凰を連れ帰る定めを負った王子。首尾よく鳳凰を捕らえた王子だが、無事連れ帰るためには、鳳凰と口をきいてはいけないことになっていた。捕らえられた鳳凰は、王子に物語を語り始める――。
小2の娘にすすめられて読んだら、予想外におもしろかった。鳳凰が実にいいところで話をやめるので、王子はつい先を問いかけてしまうのだ。私だって「それでどうなったの!?」と叫んでしまうに違いない。
王子は何度も鳳凰を捕まえ、鳳凰はそのたびに物語を語る。この物語の連なりが話の中心をなしていて、ちょうどアラビアン・ナイトのような構成だ。それぞれの物語は昔話だったり伝説だったりするのだが、話の選択や構成には一定の意図が感じられ、人の手が加わっていることがわかる。そこもまたおもしろい。
さて本書中の竹娘の話は、『竹取物語』にそっくりである。これはいささか驚きであった。
私の知るかぎり、日本には求婚の難題をテーマにした昔話がほとんどない。グリムによくある、「謎を解けばおひめさまと結婚、失敗したら死」というヤツだ。ほとんどないが少しはあって、『竹取物語』はその数少ない例のひとつだと思っていた。竹取物語自体は昔話ではないが、求婚の難題のバリエーションであり、原型は民間に流布していた昔話であろう…と考えていたのだ。
しかし原型が国外から来たものだとしたら、民間には流布していなかったのだ。やはり、日本にはこのタイプの話が決定的に少ないのだ。それはなぜなのか?非常に興味深い。
そして「竹娘」を完成形として考えたとき、『竹取物語』はそもそも求婚の難題のバリエーションではないのではないか、という気がしてきた。いい考えだと思っていたのに…。残念。
2012年04月01日
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民話・昔話 アジアアフリカ
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読み終わった
(2012年04月01日)
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かつてライムの部下を死なせた“コフィン・ダンサー”が、再びライムの前に現れた。「常に一歩先を行く」殺し屋と、そのさらに先を行こうとするライムの激突…!
ライムシリーズ2作目だが、先に5冊くらい読んでしまった。その甲斐あってか、本書では ミスリードしようとする作者の意図が手に取るようにわかったのだ。(…まあ、三分の一くらいは。)とはいえ「だまされる喜び」と「見抜いたうれしさ」はだいたい等価のものらしく、全体の満足感はいつもどおり。一気読みだ。
今回印象的だったのは、ライムの「愚かな犯罪者ばかりなら、私たちは失職だ」というセリフ。そう、天才的な犯罪者と天才的な捜査官は、敵同士のようでいて共依存している。自分の存在価値は相手にかかっているのだ。
にしても、“天才的犯罪者”がこんなに次から次へと出てくる社会はイヤだな…。
2012年02月20日
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サスペンス
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読み終わった
(2012年02月20日)
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世界各地の昔話を、1~3ページほどのなぞなぞ仕立てにしたもの。難易度はさまざまだが、どれも「なあるほどっ!」と思わされる。ひとりで読むとすぐに答えを見たくなってしまうので、誰かと一緒にあたまをひねるのがおすすめ。家でも学校でももりあがった。
予想外の答えも出てくる。「深いミルク桶でおぼれかかったカエルが、何かを蹴って抜け出した。何かって何?」(←本文はもっと長い)という問題に、小2の娘は「先におぼれていた別のカエル」と答えた。意外な発想!天才かもしれない!
でも、うちでいちばん気立てのいい子に、こんなブラックな発想があるなんて…。
2012年02月19日
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児童書
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読み終わった
(2012年02月19日)
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かしこくて気立てが良い、はたらきもののグレイ・ラビットのおはなし。シリーズは30冊くらいあるらしく、娘たち(小2)が今夢中で読んでいる。本書に収められているのは、最初の4話。
ほのぼのとかわいらしい雰囲気ながら、天敵との命を張ったやりとりなどもあって、なかなかサスペンスフル。小さい頃に出会っていたら、私も夢中になっただろう。だが今読むと、どうもグレイ・ラビットが出来すぎなのが気になってしまう。
…と書いたものの、よく出来た主人公でなぜ悪いのか?と言われると難しい。自分のいたらなさがまぶしく照らされるから、というのは当然あるだろうが、それだけか。
かしこくて気立てが良くてはたらきものの読者がどう読むか、聞きたいところである。
2012年02月19日
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児童書
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読み終わった
(2012年02月19日)
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キャサリン・ダンス捜査官のシリーズ第一作。仕草や表情を読み解く技術「キネシクス」の専門家である。
ライムシリーズの『ウォッチメーカー』に登場していたキャサリン。物証命のライムシリーズにあって、対人のプロフェッショナルであるキャサリンとその技術は 素晴らしい存在感を放っていた。大いに期待して読んだのだが…。
ライムシリーズに比べ(どうしても比べてしまう)、緊張感やスピード感が薄い。犯人の質が低い。そのためか、この長さをちょっと重たく感じてしまう。
鑑識は証拠の収集・分析・同定をし、その意味を判断する。証拠が故意に残されたものか、過失によって残されたものかについても検討する。いろんなプロセスがあるのだ。対してキネシクスは、ほぼ瞬時に答えが出てしまう。魔法のようにおもしろいところではあるが、逆に1冊持たせるのは難しいのかも。短編向きの探偵か。
とはいえ、ある程度はおもしろい。次回作も読んでみたい。
2012年02月13日
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サスペンス
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読み終わった
(2012年02月13日)
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このシリーズは、毎回連続殺人が起き、ライムのチームの活躍で犯人を追い詰め、しかし犯人も負けてはおらず、そのうえミスリーディングに次ぐミスリーディング、誰が味方で誰が敵だかわからないどんでん返しの数々…と、だいたい同じような構成なのだ。なのに、なぜこんなにおもしろいんだろう~!
気になったので考えてみた。これはコース料理と一緒なのではないか。次に何が出てくるかちゃんとわかってて、それでもじゅうぶん楽しみ。じゅうぶんおいしい。とても幸せ。いいシリーズに巡り会えてよかった…。だが、「既刊を読み終えてしまったらどうしよう」という恐怖が少しづつ忍び寄りつつある。
2012年02月10日
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サスペンス
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読み終わった
(2012年02月10日)
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