カッパドキア: 谷間の岩窟教会群が彩る

  • 東方出版 (2006年4月1日発売)
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世界史上、カッパドキアの重要性は初期キリスト教信者の避難場所であったことにある。それは地下45mに及ぶ地下都市を形成しているためで、4世紀のカッパドキアの神父は初期キリスト教哲学に不可欠の存在であった。その象徴といえるギョレメ岩窟教会は世界遺産に登録されている。

現在はその壮絶な景観とともに毎年85万人の外国人観光客、100万人のトルコ人観光客を迎える。気球、乗馬、サイクリングのツアーが人気なのだそう。

カッパドキアの歴史は中東の動乱に翻弄された。ペルシア帝国の田舎から独立と従属を繰り返してローマ帝国の極東地域とり、その後も戦争の絶えぬ土地として東ローマ帝国を基本にサーサーン朝、セルジューク朝などと支配権を奪い合い、15世紀頃までにオスマン朝が領有。以来、現在はトルコ共和国の領土に属する。

ところで手塚治虫が火の鳥2で滅びたナメクジ文明ということでレムリア大陸滅亡のエピソードを挿入していたが、そのナメクジの建築物がカッパドキアのギョレメ国立公園のカルスト状の岩、妖精の煙突だったということがある。火の鳥2では旧約聖書の神が登場するのでマンガ史上興味深いと思えた。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ★visual book
感想投稿日 : 2011年11月12日
本棚登録日 : 2011年11月12日

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