それほど長くもなく、読みやすい。
主人公は画家、ゴーギャンをモデルとしている。
株式仲買人という堅い職業を突然辞めて画家になり、窮乏から流れてタヒチにたどり着く。

「6ペンスより月を選んだ人生で彼は幸せだったのだ」とまとめれば簡単だが、話はそう単純ではない。画業を選んだストリックランドが幸せだったとは小説からは伝わってこない。ただ、その選択には人間の業とでも言ったらいいのか、芸術を選ぶしかできなかった、本能が強く芸術に取り憑かれた男の像が浮かび上がる。

語り手は、最初に夫人のサロンに出入りしていた頃と途中からとではどうも性格の一貫性に欠けている。ストリックランドも同じで、結局のところ彼が自分の人生をどう捉えていたのかは文章では語られない。★評価はこの点による。

2016年1月5日

読書状況 読み終わった [2016年1月5日]
カテゴリ 海外

図書館でふと手に取りぱらぱらとめくってみたら面白くて思わず借りてしまった。700頁もあるうえに章によっては読みにくい箇所もあり借りたとはいえしばしば手に取る気にはならなかったが、一度読み出すと夢中になる魅力がある。
中上という人は小説だけ読んでいると「肉体」の人というイメージが強くなるのだが、こういうものを読むとまさに「頭」の人であり、本能というより知力で小説を構築した作家なのだなと思い知らされる。

2014年8月18日

読書状況 読み終わった [2014年8月18日]

なぜか私の頭の中では途中からカンバーバッチさん主演で映像化され、どうにもこうにもそれを払拭できませんでした。

詳細に描写されているのにどこかぼやけていて、結局自分が見たものか現実だったのか幻だったのか分からなくなるのは他のイシグロ作品とおなじ。(ってフィクションですけど)

2014年3月20日

読書状況 読み終わった [2014年3月20日]
カテゴリ 海外

戦争が終わった後の日本の気分を、当事者としての主観と旧世代からの外部の目としての客観との両方から見つめる視点。それはVisitorとして日本を訪れ目撃した作者だから得ることが出来たものなのではないだろうか。
解説で、日本の映画は小津が好きとあって、納得。

2014年2月28日

読書状況 読み終わった [2014年2月28日]
カテゴリ 海外

春樹氏の音楽の解説には小さな宝石がいっぱいつまっているみたい。
手元においてしじゅう手に取りたいから、文庫で買う方がいいかも。

2014年2月26日

読書状況 読み終わった [2014年2月26日]

アニメを見たのでコミックスも買ってみた。
おお日本よ…死後の世界でもこんなに働かされてブラックなのが身に染みついているのね。国民性ガクブル。

2014年1月22日

読書状況 読み終わった [2014年1月22日]
カテゴリ 一般小説

三浦先生=エロ爺、という初期設定はどうなったのかな〜と密かに思っていたのが、この巻でしっかり回収されたところがとてもよかったです(そこかい!)

2014年1月19日

読書状況 読み終わった [2014年1月19日]
カテゴリ 一般漫画

かまわぬの手ぬぐいの柄がみたくて図書館で借りた。お安くはないけどやっぱりいいデザインですね。
様々な使い方が載っているのは有り難いのだけれど、もうちょっと説明が詳しいとよかった…説明が一言のみ&写真もなくて、どうすればいいのかわからない折り方がいくつかあった。

2014年1月20日

読書状況 読み終わった [2014年1月20日]
カテゴリ 実用
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前半は、著者自身の手がけた古民家の再生の具体的な手法。
単純に一軒の建物を再生するだけではなく、今現在の日本の森林資源をいかにして生かすかという視点から選ばれた杉の四寸角の柱と、それを支えるやはり杉の丸太、壁には一寸厚の杉板。

後半は、日本の民家の学術的考察。地方による民家構造の違い(例:西日本はかまど、東日本はいろり文化)は主に地域の気候によるものだった、などの考察は興味深い。が、雑誌などの媒体に発表したものをほぼそのまま掲載しているのだろう。最後の方の章は同じ話の繰り返しが続く。本にするにあたって少し整理をして欲しかった。

2014年1月20日

読書状況 読み終わった [2014年1月20日]

ほんの2、30年ほど前まで、古い民家は解体の対象でしかなかった。築百年以上の建物で再生の対象となるのはお寺や神社など、住居以外のものくらいだった。現在は住宅メーカーも、古民家の再生を手がける時代になった。著者の降幡氏は(この本を読むまで知らなかったが)古民家再生のパイオニアらしい。

古い家の再生には、ただ建物を修理し今風の暮らしに馴染むようにするといった以上の、家族の思いや葛藤があり、それが読んでいて面白い。
ただ後半の方になると、実際に住むのではなく再生して置いている例やコンサートホールとして使っている例も載っていて、やっぱり再生住宅は現在の住まい方としては様々な問題があるのかなとも感じる。

2014年1月10日

読書状況 読み終わった [2014年1月10日]

知れば知るほどカポーティというひとはかなしく愛おしい。

彼は小さい頃から小説家を志し、持って生まれた才能に磨きをかける努力を惜しまなかった。そして花開いた栄光と名声。だがやがて成功した作家を飲み込んでいく運命の流れを御する力を失っていった。

作家やアーティストが、死ぬ間際まで作品を世に送り出し続けることの困難さ。村上春樹が、60歳を過ぎてからカラマーゾフを書いたドストエフスキーを尊敬し、目指していることも納得できる。

2014年1月7日

読書状況 読み終わった [2014年1月7日]
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邦画が中心。外国映画はセレブのお薦め三本とゴシップ図鑑、フェンディとのコラボ記事くらい。邦画俳優とあまちゃんがすきなら買いかも。女性誌の映画特集もその雑誌によって濃さや好みが全然違いますね…

2013年12月22日

読書状況 読み終わった [2013年12月22日]
カテゴリ 雑誌

読んでいてひどく気分が悪くなるが、これが日本の政治家・官僚の思考方法なのだろう。デモを「テロと同じ」と言い放ってしまう感覚は、この中で書かれているのとそっくりだ。
途中までが非常にリアルなだけに、将来のところ、特に最後は人物像などのツメが練られていないと思う。

2013年12月22日

読書状況 読み終わった [2013年12月22日]
カテゴリ 一般小説

カポーティ未完の遺作。
実名/仮名で、自分の見てきた上流階級をスケッチしていくも、先行発表された部分で名前の挙がった人々から猛反発をくらう。
『冷血』のあとで書けなくなったというのは本当らしい。詩のように美しい文章で小説を書ける才能があり、それを誰よりも自負していた作家だけに、この作品がうまくいっていないことは本人が一番よくわかっていたことだろう。

2013年12月19日

読書状況 読み終わった [2013年12月19日]
カテゴリ 海外
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朝のニュースのインタビューで三谷幸喜が(映画の方について)「私たちはその後の歴史がどうなったかを知っていて、その視点で見てしまう。例えば秀吉は後の天下人だと分かって見てしまうのだけど、当時、現在進行形で生きている武将達はその瞬間瞬間を必死でやっていたんだろう。」というような意味のことを言っていました。そういう三谷さんの気持ちを踏まえて読むと楽しめる。

2013年12月7日

読書状況 読み終わった [2013年12月7日]
カテゴリ 時代
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抜群の安定感。
何度も声に出して笑ってしまった〜。

2013年12月5日

読書状況 読み終わった [2013年12月5日]
カテゴリ 一般漫画

セリーヌの半自伝的小説なのだという。
この世の全てを毒づき、あらゆる人間に唾を吐きかけるような文体で書かれてあるのだけれど、読み終わって感じるのはこれは作家の照れ隠しであって実際、貧しい家で生まれながら兵役を経て医学を志し作家となった彼の書くものに、醜い人間どもをそれでも慈しむ視点が見え隠れしているような気がしてならない。文体に目くらまされるが、ひょっとすると出発点は山本周五郎となんら変わるところがないのかもしれない。

2013年11月20日

読書状況 読み終わった [2013年11月20日]
カテゴリ 海外
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上巻はピカレスク・ロマン。

2013年11月4日

読書状況 読み終わった [2013年11月4日]
カテゴリ 海外
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ジャンルや時代がバラバラだし、各エッセイが短めなので説得力が低いように感じるが、肝心の中学生はどう読むのだろう。一人の著者もしくはテーマが統一された普通の音楽ガイド本なら色々聴きたくなるのに。

2013年11月5日

読書状況 読み終わった [2013年11月5日]
カテゴリ エッセイ

このところ親が置いていった時代物のシリーズ10巻ほどを順に読んでいて、「人物設定が生ぬるい」「少女漫画のご都合主義」と思いながらも10冊もあって全然読み止められなかったところでうまくこれを借りられた。
圧倒的に上手いし、話が湧き出てくる源泉が人間の深いところからなのがわかる。そして怖いお話なのにどこかで安心できるやさしさがある。

2013年10月16日

読書状況 読み終わった [2013年10月16日]
カテゴリ 時代

ビート・ジェネレーションにまつわる、微に入り細を穿つエピソード達。そのエピソードゆかりの場所を歩いて訪ねて回るためのニューヨーク・ガイドブック。ビートを愛する人なら日本にいても楽しめるのだろうし、ビートにはそこそこでもNYに住んだことのある人なら面白く読めるのだろう。
しかし原版の形態は知らなぬながらこの厚いハードカバーを手に実際に歩き回るのはなかなか大変そう。

2013年10月10日

読書状況 読み終わった [2013年10月10日]
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本書はある意味、「いかに『オン・ザ・ロード』を、ジャック・ケルアックを、キライになることが出来るか、試している」一冊なのだ。(あとがきより)おそらく『路上』を深く愛し何十回と読み込んでいるであろう著者が、皮肉と否定いっぱいに書いたケルアック評。

ビートの一部の小説や詩を読んだことがある程度の自分にとっては、「ケルアックは登場人物のサルとは似つかない人物だった」ということがまず驚きである。『路上』をバイブルとして手に高く掲げたビートニクたち、続くヒッピー達を嫌っていた。しかし同時にケルアックはディーンの生き様を愛してもいたのではないかという気がしてならない。

2013年10月7日

読書状況 読み終わった [2013年10月7日]
カテゴリ 海外

十代の頃から老いて死を身近に感じる歳まで貫かれたひとつの愛のはなし。マルケスの語りの上手さでページは進むのだけれども男の方は女が未亡人になるまで愛を貫いたとはいいながらその間にどんだけ多くの女と寝たんだ!という下半身の締まらない人間だし、女の方もどこがそんなに魅力的だったかというとちょっとよく分からない。
愛を貫いた話としてはリョサの『悪い娘の悪戯』の方が人物像が豊かで大分面白かったです、個人的には。

2013年9月30日

読書状況 読み終わった [2013年9月30日]
カテゴリ 海外

イームズ夫妻の軌跡の概略。

2013年9月6日

読書状況 読み終わった [2013年9月6日]
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トリビュートのCDみたいなものですね。様々な作家がマーロウを主人公に短編を書く。でもマーロウらしいマーロウにはほとんど出会えなかった。
チャンドラーの粋な台詞回しは唯一無二だと認識させられます。ただし最後の短編だけはチャンドラーご本人の作。

2013年9月6日

読書状況 読み終わった [2013年9月6日]
カテゴリ 推理
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