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コレラの時代の愛
- ガブリエル・ガルシア=マルケス
- 新潮社 / 2006年10月28日発売
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十代の頃から老いて死を身近に感じる歳まで貫かれたひとつの愛のはなし。マルケスの語りの上手さでページは進むのだけれども男の方は女が未亡人になるまで愛を貫いたとはいいながらその間にどんだけ多くの女と寝たんだ!という下半身の締まらない人間だし、女の方もどこがそんなに魅力的だったかというとちょっとよく分からない。
愛を貫いた話としてはリョサの『悪い娘の悪戯』の方が人物像が豊かで大分面白かったです、個人的には。
2013年9月30日
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ママ・グランデの葬儀 (集英社文庫)
- ガルシア・ガルシア・マルケス
- 集英社 / -
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マルケス初期の短編。
後に書かれた短編と比べてみると、まだまだ「いわゆるマルケス」ぽくないのだけど、それでも熱帯地域の熱、長雨、倦怠、痛みが登場人物達にまとわりついて離れないところが彼らしい。
2012年4月15日
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青い犬の目: 死をめぐる11の短篇 (福武文庫 ま 1201)
- ガルシア・マルケス
- ベネッセコーポレーション / 1994年8月1日発売
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マルケスが「百年の孤独」を書く前の初期の作品で、文体や構成がかなり違う。先日の「美しい水死人」と比べれば短編としての出来や貫録は雲泥の差。あまり印象に残らないぼやけた輪郭の小説が多く、ガルシア・マルケスも最初からあのスタイルを持っていたわけではないんだなと思う。
2011年8月29日
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ラテンアメリカの文学 族長の秋 (集英社文庫)
- ガブリエルガルシア=マルケス
- 集英社 / 2011年4月20日発売
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ありえないほど長生きした大統領の話。長い治世の間に様々な出来事が起こり、彼自身もそれ相応に変化するが、読み終わって思うのは、この主人公は実は一人ではなく、独裁制の根付いた土地に巣くう政治の病、つまりトップが変わっても淡々と続いていく赤道近くの国の代わり映えのない一世紀余りの歴史そのものなのではないだろうか。
(この本持ってるのにまた買ってしまった、悔しい。くぅ。)
2011年8月23日