春琴抄 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1951年2月2日発売)
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本棚登録 : 9055
感想 : 904
5

句読点が極端に少なく最初は難儀しましたが、慣れてくると、浄瑠璃のように流れる言葉の旋律に、読まされてしまいました。言葉の一つ一つが美しく、行間から匂い立つエロスに魅了され、気がついたらあっという間に読み終わっていました。梅花の幹を春琴に撫でさせるシーンや、佐助が春琴の小さな足を誉め語るシーンなど、エロとフェチが散りばめてあって、盲目の二人の拙いやり取りの間に交わされる情など、まさに耽美。下手なエロ小説より余程妄想を駆り立てられて、谷崎って変態だったんだなぁってしみじみ思える作品でした。大好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年2月17日
読了日 : 2014年2月17日
本棚登録日 : 2014年2月17日

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