ソビエト時代に書かれた小説で黒海に面したクリミア半島沿いのある軍事都市、いわゆる閉鎖都市が舞台になっている。そこは町の外れに猫好きな町の住人たちによって造られた猫のスフィンクスがあり、夜になるとどこからともなく猫たちが出て来て町をうろついていた。ある夜、人間が猫に襲われ、猫インフルエンザのウイルスが見つかると、町は検疫のため封鎖され、感染を恐れた町の住人は猫殺しにはしりはじめる。インフルエンザに怯える現代社会の予言的な要素も兼ね備え、ソビエトという遠い世界の裏庭の夏の海沿いの小さな町で繰り広げられる人たちの情景が自由奔放で、やはりロシア人だと感じさせる登場人物たちにも好感が持てる作品。
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- 感想投稿日 : 2010年7月18日
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- 本棚登録日 : 2010年7月18日
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