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食料自給率100%を目ざさない国に未来はない (集英社新書)についてのものくろ鯨さんのレビュー


ものくろ鯨の鯨尺»

文字の海を泳ぎ、雑多に食べる。

レビュー by ものくろ鯨さん

新書   読み終わった  読了日 : 2010年02月08日  登録日: 2010年02月08日

小説を読むときでも、新書を読むときでも、
読後の感想に何を描こうかと考えながら読むことはなかった。
だけど、こうして感想をつけるようになってから、
感想を書こうとして筆をとった時、自分が思うほど、
本の内容が多くは出てこない事に少々戸惑う。
やはり、意識して、気になったところに、付箋など、
印をつけながら読むのがいいのかもしれない。
特に、新書などは。

農学部の学生として「食料自給率」という言葉には注目するし、
そうでなくても、昨今よく聞かれる言葉だと思う。
日本はおおむね40%を維持しているそうなのだが、
筆者によるとそれは、怪しい数値なのだそうだ。
自国で生産したものの供給熱量を、総供給熱量で、わる。
その時、分母である総供給熱量の値が小さくなれば、
結果として、その答えである日本の食料自給率は大きくなる。
机上での、どうしようもなく無意味なごまかしが、
事実、起こっているのだそうだ。

読み進めていくうち、日本の食料をめぐる動きは
現在の状態から、ほぼ身動きできないようになっているらしい。
現在の日本の食料事情を見るに、この本では大きく、
戦後にトピックをおく文があった。
戦後、食料難だった日本は余剰農産物の処理に困っていた
アメリカと取引して、国内では給食を定着させた。
パン食が定着し、小麦の消費量は戦前の四倍、と、
今はなっているらしい。
詳しくは思い出せないけれど、
その取引で得たお金が日本の復興を支えたのもまた、事実のようだ。
日本の行政は第二、第三次産業に力を入れ過ぎ、
第一次産業である農業に無理を強いてきた。
それが、ごまかしてでもしか得られない、
自給率40%という低い数字が物語るものだろう。
ならば、就農する人を増やせばよいのでは?
それにも、行政のこれまでの無責任な対応が障壁となっているそうな。
具体的には規格化、無計画な輸入食品の増加、
減反政策などがあるらしい。
どれも、これも、農家を圧迫するもので、
とても農業を促進しようとする意図など見えないのです。
私は、筆者の提案する「地産地消」に賛成です。
各都道府県が少しづつでも自給率おあげれば、
全体で、大きな変化になるはずです。
その提案すべてに賛成とは言えないけれど、
都市が中心という考え方はおかしいし、
流通のコストを考えれば、きっと消費者にとっても、
生産者にとっても有益なことだと思われます。
何より、計画に希望が持てるのです。

この本は、食料自給率や農業の現状、
日本の政策まで、広く、十分な事を知ることができる本だと思う。 レビュー登録日 : 2010年03月10日


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