翔ぶ少女

著者 :
  • ポプラ社 (2014年1月9日発売)
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本棚登録 : 1326
感想 : 207
5

神戸市長田区の阪神大震災の日から始まる物語。

新聞の書評を読んで、手に取ってみる。
だから阪神大震災の話だとわかっていた。
わかっていても、やはり読むのに勇気がいる。

ファンタジーありーので、子どもには読みやすいのかも。

登場人物の名前は原田マハさんならではのこだわり、なんでしょうね。
きっと、サモトラケのニケが出てきて
ゼロ、イチ、ニ、サンとなったんだろうなぁ。と
勝手に想像。

しかし、目の前で、地震で倒壊した家に押しつぶされて
おまけに火事で炎が襲ってくるなか
生きているお母さん、お父さんを置いて、逃げなければならなかった
子どもの気持ちを思うと
辛すぎる。
ファンタジーでもなければ辛すぎる。
現実にはファンタジーはないのだけれど。

あの、街がぜーんぶ焼けてしまった長田の街を思い出す。

小さな子どもが、一生懸命生きようとするけれど、
やっぱり辛くて、お父さんお母さんの所に行きたいと思うのは
ごくごく当然で、
頑張って、頑張って、頑張っている姿を思うと

もう、たまらなくなってしまう。
泣かないページはなかったかも。

パンを焼いとう時のにおいとか
一生懸命、生きとう子どもたちとか
何やっとん!と思とうこととか
完璧な神戸弁の再現でした、素晴らしい、嬉しい。

ありがとう、マハさん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田 マハ
感想投稿日 : 2014年3月21日
読了日 : 2014年3月17日
本棚登録日 : 2014年3月17日

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