奇跡のリンゴというタイトルがついている。
奇跡のように甘く、
生命力が凝縮されて涙が出るほどらしい。
大地に大きく根を張り、地中深くのいろいろな栄養を吸い上げているので、
単純に甘いとか酸っぱいとではなく、
濃い味のするリンゴだそうです。
そんなリンゴができるまで、8年間リンゴの実がならなかった。
農薬で守られてきた、体力のなくなったリンゴの木は、土地は、農薬散布を止めた途端に虫や病気が広がってしまった。
自然の生態系が崩壊してしまっていたのだ。
自然の力を取り戻していく中で、
ある年は特定の虫が大量発生しても、
次の年には全く出なくなる。
そうして、少しずつバランスを取り戻して行く。
生態系というのは不可思議で面白い。
生活にも困窮する状態が8年続いた。
そんなに長く結果が出ないのに
なぜ諦めなかったのか、
木村さんの人柄が少しずつ見えてくるにしたがって、気持ちが理解できてくる。
行き急いで生きている我々は、
何を得ようしているのだろうかと
疑問に思ってしまった。
木村さんは、
自分が頑張ったんじゃない、
リンゴの木が頑張ったんだと言うけれど、
真面目な性格と、探求心と、人柄とで
間違いなく頑張った。
そして奇跡を起こした。
リンゴが花を付ける場面、
著者がリンゴを食べる場面、
揺さぶられました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2013年6月20日
- 読了日 : 2013年6月20日
- 本棚登録日 : 2013年6月20日
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