北海道のとある街、気温が-24.3℃の冬の朝、中学1年生の少女、藍田の起床から帰宅しようとする迄の1日の情景に過去の情景とその後の未来が混ざり合う『亜寒帯』、その少女が成長し、親戚中の中で天上天下唯我独尊として振る舞い変わり者扱いされ諦められている藍田亜子を慕う従姉妹の娘の中学生、理子の視点から描いた『ぐずべり』の2篇を収録。亜子の少女時代を描いた「読書するAAの姿は、まえかがみになって垂れた長い髪が読み終えた頁にはさまれ、まるでチューブで栄養を摂取している瀕死の病人の様だった。」この表現がいいな、と、思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年6月10日
- 読了日 : 2011年6月10日
- 本棚登録日 : 2011年4月28日
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