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モヨコさんの本棚 > 鳥の歌いまは絶え


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レビュー by モヨコさん

小説   読み終わった  読了日 : 2010年08月19日  5

放射能と環境破壊、疫病により、破滅に向かう地球。人間の繁殖力が低下した為、谷に住む人間の一族はクローンを作り、子孫を残そうとする。作られたクローン達は人間の数を逆転し、人間はクローン達と敵対していく。人間に取って代わり、谷を支配した兄弟姉妹達から成るクローン一族も、生殖能力が世代毎に低下する為、子孫をクローン、また「繁殖員」と呼ばれるクローン女性を麻薬漬け、条件付けにし、ヒトを生産する為の「モノ」として扱っている。自我も個性も多様性もない、支配者階級も労働力もクローンで作り出す、「集団こそが「個」」という考え方の共同体に、クローン同士の普通の生殖行為により産まれた自我を持つ「個人」の1人の子供が、この共同体の崩壊と地球の再生を見つめる。SFというジャンルは、問題提起するにはうってつけのジャンルだと思うのだが、人間に対するアイロニー、自我とは、アイデンティティとは、を問いかけた凄い小説。 登録日 : 2010年08月16日 16:27:28


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