お互いに愛している
しかし若さゆえ言い出せない、相手を思いやればこそ
その時代の理想的なプライドと遠慮がある
初めて本音をぶつけたことで
思い描いていたこれからの二人の人生を壊す人生のひと時が
過去との行き来のなかで描かれている。
喧嘩別れするときには、少なからずこのような心理が
お互いに働いていると、思い出したり教訓にしたり
若くて許せなかったことが、年齢を重ねて人生にとっては
些事に感じたり、あの時は赦せなくても
時がたてば/今となっては、だったり
自分が動かなかったことで、取り戻せないありえた未来を
思い起こしたりだったり。時代の転換点であったとしても
「一度かぎりの」初夜であることが意味ある作品。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外-小説
- 感想投稿日 : 2010年10月21日
- 読了日 : 2011年5月16日
- 本棚登録日 : 2010年10月21日
みんなの感想をみる