悪霊は、自分が最も好きな本で、最もよく意味が分かっていない本。その悪霊の謎を、亀山郁夫先生が読み解いてくれる。だが、それでも分かった気にしかならない。
今回分かったことは、悪霊が書かれた当時のロシア、スタヴローギンの告白出版における揉め事がストーリーに大きな影響を及ぼした事。
そして、スタヴローギンという人物が、もう少しクリアになったこと。悪霊の意味の分からなさは、スタヴローギンという人物が悪魔的にも関わらず、物語の中では特に何もしない事だ。だが、物語の中では語られていない、過去に行われていたであろう事、スタヴローギンの心情を想像する事から垣間見得る恐ろしさ、そしてスタヴローギンの分身ともいえる人物達、それらによる物語の重層性。これらが薄ぼんやりと掴めた気がする。
また近いうちに、新たな気づきがあるか、悪霊を読み返してみたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年10月8日
- 読了日 : 2012年10月8日
- 本棚登録日 : 2012年10月8日
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