老いて、若返る: 人生、90歳からが面白い (サライブックス)

  • 小学館
4.38
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本棚登録 : 29
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093434362

作品紹介・あらすじ

ふたりで191歳の、ポジティブシンキング

明治44年(1911)山口生まれの日野原重明は、京都帝国大学医学部を卒業、昭和16年より昭和52年まで聖路加国際病院に勤務。昭和55年同病院理事に。平成4年から平成8年まで同病院院長。平成13年に出した『生きかた上手』がベストセラーほか、数々の出版物を手がける。また『葉っぱのフレディ』を音楽劇に脚色するなど、多彩に活躍を続ける。現在99歳。
一方、大正7年(1918)東京生まれの堀文子は、女子美術専門学校(現・女子美術大学)師範科日本画部卒業、戦後焼け野原だった青山にアトリエを構え、創作活動をしながら世界を放浪。大磯に移住後、軽井沢にもアトリエを持ち、自然や生命への神秘を作品にする。70歳でイタリアのトスカーナへ移住、その後もアマゾンやペルー、ヒマラヤなど、取材旅行を続け新しい作品を創作している。現在92歳。
このふたりが「芸術」、「人との関わり」、「命の尊さ」などを語る対談の中に、それぞれが日頃思っている「心の声」を挿入しながら構成する。口絵には堀の50年前の作品から最新作まで約10点を入れる。

【編集担当からのおすすめ情報】
日野原先生、堀先生ともにとにかく好奇心が旺盛。日野原先生は昨年7月から9月わずか2か月の間にニューヨーク、南ドイツ、イスラエルと飛び回り、今年1月にはハワイにも出かけています。堀先生も脳のニューロンから、深海のオオカミウオ、ヒマラヤを越える鶴まで様々な作品を描き続けながら、新たな画風に挑戦し続けている。この先も、目が離せないふたりです。

感想・レビュー・書評

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  • 日野原さんと堀文子さんの対談 日野原:私はつねづね、「よい人生」を送るのには「よい習慣」が大切で、それは「よい家庭」から生まれる、と説いています 医療は人の「体」にタッチするアートです。そして絵画や音楽は、人の「心」にタッチするアートです 堀:さまざまな国を旅して、「風景は思想だ」と私は確信した。風景は自然を取捨選択し、その国の人々がつくり上げた作品なのだ 日野原:子どもたちには「命というのは、君たちが使える時間なんだ」と話します

  • 39歳でアメリカへ留学。第二の青春を過ごす。
    バブルの時、土地の値段が上がっているだけなのにマスコミは経済大国という。こんな品位を失った日本で死ぬのは嫌だと思いイタリアへ。
    ネパールに山の名前はない。名前があるのは西洋人が征服した山だけ。
    シャボン玉の歌は子供の命を象徴。消えないように風風吹くなと祈る。
    オリーブオイルをスプーン一杯。血管が柔らかくなる。

  • 1918年生まれの堀文子さん(日本画家)、「画家は長命」、ご多聞に漏れずですね。「医者の不養生」という言葉もありますが、1911年生まれの日野原重明さん(聖路加病院院長)には無縁の言葉でしょう(^-^) おふたりの「人生、90歳からが面白い」、ビッグな対談集(2011.4)です。昨秋(2015.10)続版とも言えそうな「100歳が聞く100歳の話」という本も新しく刊行されてますので、この本も是非読みたいと思っています!歳とともに、自然に対する感受性が鋭くなる・・・、私も最近そんな感じがしてきました。

  • 三葛館一般 914.6||HI

    日野原重明先生と、日本画家の堀文子さんの対談をまとめた本書。
    一読すると、日野原先生の多彩な才能や飾らない人柄、堀さんが持つ品性や研ぎ澄まされた感性を感じることができ、そんなお二人の言葉には、様々な苦難を乗り越え生き抜いてきたからこそ語ることができる、深い叡智が秘められているように感じられます。
    また、長い人生を生きるうえでなにが大切かも随所に記されています。
                                  (かき)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=61358

  • 人生の大先輩の対談面白く読ましてもらった。

  • 県立図書館。

  • 心に残った言葉
     ・ 人はみなそれぞれの幼児期の記憶を探し求めながら、この世を生きて  いるのかもしれません。(堀)
     ・ 忘れ去った名もない日々が、私という一本の老木を養ってくれた大地   だったように思います。(堀)
     ・ 知識も説明もいらず、美は時空を超えて感応する者の魂を揺さぶる
      電流のようなものです。(堀)
     ・ さまざまな国を旅して、「風景は思想だ」と私は確信した。風景は自然 
      を取捨選択し、その国の人々が作り上げた作品なのだ。(堀)
     ・ 森の中で暮らした私は、生きては滅びる命の流転を淡々と受け入れ、
      貪らず奢らず命を全うする草木を見つめ、生きるものの心得をどれほ   ど学んだことだろうか。
     ・ 人の一生は毎日が初体験で、喜びも嘆きも時の流れに消え、同じ日は  戻らず、同じ自分もいない。(堀)
     ・ かつて世界の人の心を打った日本人の礼節とつつしみ深い品性は、
      今はもうない。(堀)
     ・ 私が確かに生きている今日。全身全霊を傾けて、考え、嘆き、感動す   ることのできるのが今という時間なのです。
     ・ 生きものの形をまるごと見せず、ひと口ずつの切り身として美しく仕上  げ、色や形や香りや旬にも心をくばり、とりどりの食器にも美意識を
      込めた日本の食事。同時に、食べやすさを大切にした食べ物が、日本  人の命と繊細な心を養ってきたと思う。(堀)
     ・ 夏の緑。秋の尾花、芒ヶ原。冬野の枯れ尾花。芒の一生に私たちは
       生死の流転の姿を見てきました。生のときにも死の姿にまでも、
      その美しさを讃えたかつての日本人の、成熟した美感の深さを思わず  にはいられません。(堀)
     ・ 無心に生きるのには幸せも不幸せもない。(堀)
     ・ 子どもたちの豊かな才能を引き出すことを使命だと思っている。(日野  原)
     ・ 若い頃は似ていなかった私の顔が、いつの間にか晩年の葉はの風貌  に変わっていた。母から受けた遺伝子の設計図には、私の老年の姿   形まで描きこまれていたのだろうか。親子をつなぐ命の仕組みに愕然   とした。(堀)
     ・ 豊かな人生に、友人は欠くことができない。(日野原)
     ・ 花は生きものだ。光を求め呼吸し、花びらの毛細血管に命が流れ、静   かに動いている。(堀)
     ・ 執着から解き放たれた老いには、苦しみも、惨めさもないことを知りま  した。(堀)
     
     自分にとって、一生を、命をかけらられるもの、それは何なのか、そんなことを問い続けながら、一気に読了した。


     

     
     

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著者プロフィール

1911年山口県生まれ。1937年京都帝国大学医学部卒業。1941年聖路加国際病院内科医となる。学校法人聖路加国際大学名誉理事長、聖路加国際病院名誉院長、一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長などを歴任。予防医学の重要性を指摘し、医学・看護教育の充実、ターミナル・ケア(終末期医療)の普及に尽力。2000年には「新老人の会」を結成。1999年文化功労者。2005年文化勲章受章。2010年には国際コルチャック協会名誉功労賞受賞。2017年7月18日逝去。

「2022年 『2023年版『生きかた上手手帳』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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